スパイス界の優等生「フェンネル」の効果効能・使い方とは?おすすめレシピもご紹介

昔から世界各地でハーブやスパイスとして使用されていたフェンネル。フェンネルシードという言葉の方が最近は耳にすることが多いかもしれません。このフェンネルは花・葉・種と上から下まで全部無駄にすることなく使うことができるスパイスハーブ界の優等生とも言われています。今回はそんなフェンネルの効果・効能や使い方などについて詳しく紹介していきます。

2019年02月18日更新

アロマ

亀崎智子 (管理栄養士)

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[1]フェンネルとは

スパイスハーブ界の優等生とも呼ばれている有名なフェンネルですが、原産地は地中海沿岸と言われています。フェンネルはどこにでも生えている野草で誰でも手に入れることができる身近なものとして利用されていました。

フェンネルの歴史と名前の由来

フェンネルは最古の作物の1つ、そして、アングロサクソンの9つの神聖なハーブの1つにも数えられていたと言われています。古代のギリシャやローマ、エジプトなどで栽培され、食用や薬用として利用されていました。日本に伝わったのは、中国を経由してきたというのが有力な説とされています。

フェンネル(Fennel)は英語読みになりますが、Foeniculumというラテン語で「小さな干し草」という意味の言葉に由来していると言われています。また古代ギリシャでは、ギリシャ語で「細くなる」という意味で呼ばれていたりしました。中国では魚の香りを回復してくれるということから「茴香」(カイコウ)と呼ばれたり、日本でも同じ漢字で表記されていますが、鎌倉時代に流行した唐音にちなんで「ウイキョウ」とも呼ばれています。

フェンネルの特徴


フェンネルはセリ科の多年草で背が高く、大きいものは2mまで成長します。全体的に黄色みをおびた緑色をしています。茎からは枝分かれしたような細長い葉が生えており、夏には茎の先に黄色の小花が咲きます。

フレッシュのハーブとして利用するものは、黄色の花が咲く前の葉を収穫します。また秋になると茎全体を刈り取り、乾燥させて、種子を収穫します。これをフェンネルシードと呼んでいます。フェンネルシードは6~7㎜ほどの細長い楕円形で、2つの種が向かい合っています。

フェンネルの代表種3種とは

フェンネルとひとくくりで呼んでいますが、主に栽培されているものは以下の3種類に分けられます。

■スイート・フェンネル〔F. vulgare〕


フェンネルの基本種になります。日本名ではウイキョウと呼ばれています。葉の香りが強いことから香りづけや薬用として使用されることが多いです。

■フローレンス・フェンネル〔F. vulgare ver. azoricum〕


イタリアでは野菜としてフィノッキオと呼ばれており、日本名ではイタリアウイキョウと呼ばれています。株元が大きく肥大することから、その部分を食用として使用されています。

■ブロンズ・フェンネル〔F. vulgare ‘Purpurascens’〕


葉がブロンズ色になることから、鑑賞用として利用されることが多いです。また、料理やお茶、染色などにも使われています。

[2]フェンネルの効果・効能とは


北米更年期学会(NAMS)の研究班の調査からフェンネルは女性の更年期障害において見られる顔のほてりや不眠、不安障害の改善に効果が期待できると言われているように、他にも様々な効果効能が期待できます。

消化の働きをサポート

フェンネルは食欲を増進させるとともに、消化酵素の分泌も促すことで消化をサポートして、胃の蠕動運動を促進することで便秘の改善にも効果が期待できます。また、胃腸にたまってしまったガスの排出も助けることから、お腹や胃の張りにも効果的で、胃腸の健康を保つのに役立ちます。

一方で、痙攣を和らげてくれる成分が豊富に含まれていることから、消化器系を鎮静して、痙攣を防いでくれるということも期待できるのです。

ダイエット効果が期待

フェンネルには利尿・発汗作用が期待できるため、むくみの改善が期待できます。また、血行が促進されることで体内のめぐりが良くなり、冷え性も改善されて、昔からダイエット効果が期待できるハーブの1つとして利用されてきました。

更年期障害のサポート

フェンネルには女性ホルモンであるエストロゲンと似たような働きをしてくれる植物性エストロゲンが豊富に含まれています。

そのため、閉経前後のエストロゲンの分泌が低下してきている女性においては、作用は弱いもののエストロゲンと同じような働きが期待できるため、更年期障害を和らげてくれると言われています。また、授乳中の母乳の出を良くすることも期待できるのです。

眼精疲労の改善

昔からフェンネルは目を洗うために水や視力を良くする薬として使用されていたとも言われています。仕事でパソコンや資料に目を通すことが多かったり、スマホを長時間使用で目を酷使したりしている方は、フェンネルシードを煎じた液体をコットン等に浸してまぶたにのせてあげることで、痛みを緩和し、炎症を抑えてくれる効果が期待できると言われています。

[3]フェンネルの香りと味とは

フェンネルはスパイスとしてもハーブとしても利用されています。花が咲く前の夏に収穫されるフェンネルの葉は強めの甘い香りがします。そのため、魚の臭い消しとして利用されることが多いです。

また、お口直しに使用されることもあります。その他、漢方薬にも使用されます。具体的な商品名では、大正漢方胃腸薬という薬で、主成分は「安中散」という漢方薬ですが、フェンネルやシナモン等を混合させたものでフェンネルがたっぷり使用されています。

魚の臭みを消して、甘い香りに包んでくれることから焼いたり煮たり添えたり様々な使い方があります。他にもお菓子やお酒の香りづけにも利用されています。

フェンネルのアロマオイルで女子力アップ

フェンネルはその香りから精油としても利用されています。果実の精油成分はアネトールと言われています。胃腸の働きを改善したり、活発にしたり、咳を抑えたり、母乳を促進したりという効果が期待できます。

精油をスキンケアやマッサージなどに利用する場合には、必ず希釈して利用するようにしてください。(精油は製造メーカーによって希釈濃度が異なるので、お持ちの精油に適した希釈で使用してください。)基本的に精油の飲用はおすすめできないので、本格的に使用したい場合はプロのアロマセラピストさんに相談して使用することがおすすめです。

フェンネルの香りは心身ともに効果が期待できます。精神面においては、ストレスや緊張を鎮めてくれたり、生理前・中のイライラにも効果があると言われています。身体面においては、消化促進・利尿作用・月経トラブル・更年期障害を緩和してくれると言われています。セルライトやむくみにも効果が期待できることからマッサージに使うこともすすめです。

■フェンネル精油おすすめのブレンド

フェンネルはスパイスやハーブぽい香りなので、同系のハーブ系との香りの相性がよいです。他にもフローラル系とも相乗効果があります。

  • 柑橘系:オレンジ
  • フローラル系:カモミール・ローマン、カモミール・ジャーマン、ラベンダー
  • スパイス系:カルダモン、ジンジャー、クローブ、キャラウェイ、アニス
  • ハーブ系:アンジェリカ

[4]フェンネルの使い方とは

花や葉、茎、種など全てを無駄なく使うことができるフェンネルですが、それぞれ特徴があり、おすすめの使い方があります。その使い方を今回は紹介していきます。

フェンネルの葉や茎の使い方


フェンネルの葉には魚特有の臭みや脂っぽさを消してくれる働きがあることから、魚との相性が良いので、魚料理のハーブと言われています。

魚を焼いたり煮たりするのに使用するのがおすすめです。また、魚に添えるという使い方もされます。茎は細かく刻んで、スープやサラダに使うことがおすすめです。葉もそのままスープやサラダに使っても大丈夫です。

フェンネルシードとは


シードとは本来「種」を意味しますが、フェンネルシードは「果実」部分のことです。夏の開花時期が終わり、果実に筋が入り黄色味がかってきたら花の束ごと収穫します。収穫した果実に紙袋をかぶせて逆さまにして乾燥させます。約1週間で水分が抜けきるので、抜けきったらスパイスとして使用できるようになります。湿気を防ぐために保存して使用します。

フェンネルシードの使い方・食べ方

生や香辛料、漢方などにして口にされることが多いフェンネルですが、フェンネルシードは多くはスパイスとして利用されることが多いようです。ホールやパウダーなどとして販売されていますが基本的にはどちらでも使い方は同じで大丈夫です。
カレーのスパイスとして使用したり、パンやお菓子に混ぜ込んだり、お茶にしたり、リキュールの香りづけにしたりとその用途は様々になります。

フェンネルの花の使い方


花も食べることができます。サラダとして食べることも可能ですし、乾燥させてフェンネルティーにするのもおすすめです。食べるのに抵抗があるという方は、染料として使用することもできますよ。

フェンネルを使う時に注意すべきこと

様々な使い方に効果・効能があるフェンネルですが、使用する際には特に妊婦や子どもにおいては注意していただきたいことがいくつかあります。

<注意すべき4つのこと>
・妊婦さん、授乳中の方、子ども、てんかんの持病を持つ方は使用を控えましょう。
・婦人科系の疾患がある方は摂りすぎに注意が必要です。
・ヨモギや人参などのセリ科の植物にアレルギーを持つ人は使用に注意が必要です。
・肌への直接の使用は刺激が強い場合もあるので、敏感肌の方は特に使用に注意しましょう。

上記以外でもどんなものにおいても1つのものを極端に多く使用するのはあまりおすすめできることではないので、使いすぎには注意しながら適度に使用することをおすすめします。

[5]フェンネルを使ったレシピ

ここではフェンネルを使用した簡単なお手軽レシピを紹介していきます。

サーモンとフェンネルのオーブン焼き


<材料>
・フェンネル(葉・茎)2本分
・サーモン       2切れ(2人分)
・えのき       1パック
・ミニトマト(赤・黄)6個
・ブラックオリーブ  お好みで
・ブラックペッパー  適量
・塩         適量
・オリーブオイル   大さじ1

<作り方>
①フェンネルの茎から葉と根を切り落とす。
 茎は1番外側の固いところの皮をむいて薄い輪切りにする。
 えのきは石づきを落とし、半分にカットする。ミニトマトは洗って、ヘタを取り半分にカットする。
②鍋に水を沸騰させて、①の茎を柔らかくなるまでゆがいて、ざるにあげる。
③耐熱の容器に②とえのきを敷き詰める。その上にサーモンをのせる。塩とブラックペッパーを全体にふりかけて、ミニトマトとブラックオリーブをトッピングする。
④フェンネルの葉を適当にちぎって、全体にトッピングし、オリーブオイルを全体にかける。
⑤180℃に予熱したオーブンで約20~25分ほど焼いたらできあがり。

フェンネルソース(ジェノベーゼのフェンネルバージョン)


<材料>
・フェンネル(葉)
・カシューナッツ(あればローストもしくは炒ったものを使用)
・にんにく
・オリーブオイル
・粉チーズ
・塩
・ブラックペッパー

<作り方>
 材料を全てフードプロセッサーもしくはミキサーに入れて滑らかにしたらできあがり。
 味は塩とブラックペッパーの量でお好みに調整してください。

甘い香りが特徴のフェンネルの葉はバジルの代わりにジェノベーゼソースを作るのもおすすめです。パスタのソースやドレッシング、魚や肉のソースなど使いようとは様々です。

フェンネルポテトサラダ


<材料>
・じゃがいも    4個(300gくらい)
・フェンネル(葉) 2枝くらい
・フェンネルシード 小さじ1
・マヨネーズ    大さじ2
・酢        小さじ2
・ブラックペッパー 適量

<作り方>
①じゃがいもを水からゆがいて、柔らかくなったら、水を捨てて、水分を飛ばすために軽く炒める。皮をむいて、ゴロゴロ食感が残る程度にマッシュする。
②フェンネルの葉はトッピング用に少しよけておき、残りはみじん切りする。
③フェンネルシードは焦がさないように軽く色がつくように炒っておく。
④あらかじめ混ぜ合わせておいたマヨネーズと酢、ブラックペッパーの中に①を加えて全体にからませるように混ぜ合わせる。
⑤②と③を加えてさっくりと混ぜ合わせる。
⑥お皿に盛り付けて、フェンネルの葉をトッピングしたらできあがり。

[6]生活にフェンネルを取り入れてみよう

いろいろな使い方ができるフェンネルは私たちの生活の中に取り入れやすいハーブやスパイスの1つではないでしょうか?使用する上では少し注意が必要ですが、上手に活用すれば女性にとって嬉しい効果がいろいろ受けられます。今までの生活でハーブやスパイスをなかなか使う機会がなかったという方にとってはなかなかハードルが高いかもしれませんが、ぜひフェンネルを生活に取り入れてみませんか。上手に取り入れて、女子力アップを目指しましょう。


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