【管理栄養士監修】臭い食べものは体臭・口臭の原因になる?日本と世界の臭い食べ物ベスト5とは

日本だけではなく世界中には昔から生きるための知恵や方法としていろいろな保存食品や発酵食品が作られています。しかし、その中には保存性は高いもののニオイがとてもきつい物も多く存在しています。そのような臭い食べ物は好き嫌いがはっきりと分かれてしまうことが多いです。そこで今回は臭い食べ物にはどのような物があるのか、そしてそれが口臭や体臭と関りがあるのか説明していきます。

【管理栄養士監修】臭い食べものは体臭・口臭の原因になる?日本と世界の臭い食べ物ベスト5とは

2018年05月03日更新

フードドリンク

亀崎智子 (管理栄養士)

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[1]ニオイの程度の表し方とは

私たちは普段生きていく中でいろいろなニオイを嗅ぐことがあります。このニオイは具体的にニオイの強さを表すことができるのです。臭気指数(しゅうきしすう)と呼び、Au(アラバスター)という記号を用いてニオイの濃度を数字で表わしています。このAuの値が高ければ高いほど臭いものということになります。そのため、この数値が高いということは強烈なニオイを避けることができないということで注意が必要にもなります。
ちなみに、食べ物以外にはなりますが、履いた靴下で120Au、野球部の練習後のストッキングで420Auというような記録も報告されているので目安にしたらよいでしょう。

[2]口臭や体臭のメカニズムとは

私たちの体は毎日、食べたり飲んだりするものが消化器官で消化されて、吸収されます。そして、新陳代謝されることで血や肉、エネルギーとなり生きることができるのです。毎日、体の細胞は新しいものに作り変えられて、不要になった老廃物は排出される仕組みになっています。食べた物のニオイがそのまま口臭や体臭になるわけではありませんが、食べ物がニオイの原因になることには間違いありません。

臭い食べ物は口臭・体臭に影響する!?

ニオイが発生する過程は意外と単純ではなくいくつかの段階に分かれています。以下の3つの原因が関与して口臭や体臭の原因になっていると考えられます。

①食べ物や飲み物に含まれるタンパク質や糖質、脂質、ミネラル・ビタミン類、食物繊維、香気成分、アミノ酸、その他の微量成分、食品添加物、化学調味料、残留農薬などの摂取された量とバランスによって口臭や体臭の程度は左右されます。

②体の中に取り入れられたものは基本的には消化・吸収されますが、その消化吸収の方法はものの種類や量によって異なります。食べ過ぎた時は消化器官で十分に消化されず、腸内環境が悪化してしまい、腸内に悪玉菌が増えることで口臭や体臭が引き起こされます。特に含硫アミノ酸や動物性脂質を多く含む肉を過剰に食べてしまうと消化能力を超えてしまいニオイを悪化させてしまうのです。

③食べ過ぎや飲みすぎ、極端な偏食になってしまうと肝臓の代謝が間に合わなくなってしまい、体に栄養として吸収されない形や毒性が中和されない形で血中に流れてしまいます。これにより代謝が上手くいかなくなり様々な臓器にも負担がかかってしまい口臭・体臭を引き起こしてしまうのです。

[3]日本の臭い食べ物ランキングベスト5

ここからは日本の臭い食べ物のベスト5を紹介していきます。

第1位:くさや(焼きたて)

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日本一臭い食べ物として、食べたことはなくてもその名前を1度は聞いたことがある人が多いのではないでしょか。伊豆諸島の特産品として有名なくさやになります。このくさやの臭気指数ですが、焼く前と焼きたてでは異なります。焼く前で447Au、焼きたてで1267Auになります。くさやはタンパク質分解酵素などを含む魚醤(ぎょしょう)に類似した独特のニオイや風味をもつくさや液と呼ばれるものにトビウオやシイラ、アジなどの新鮮な魚を漬け込んで、天日干ししたものになります。干し物なので焼いて食べますが、焼いた直後が1番ニオイが強烈であると言われています。ニオイは強烈ですが、食べるとうまいというギャップにはまる人も多い食べものになります。

第2位:鮒寿司

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滋賀県の名産品である鮒を用いた熟れ寿司になります。臭気指数は486Auになります。基本的には飯と塩で作られる寿司ですが、飯漬け後に酒粕や味噌に漬けられることもあります。乳酸発酵によって腐敗が抑えられて、うま味成分が増すので、夏の土用に漬け込んだものは晩秋には食べることができます。中には1年もしくは2~3年ほど飯漬けを行うこともあります。見た目で無理という人もいますが、やはり独特のニオイがあるので好き嫌いの分かれるものになります。

第3位:納豆

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スーパーでもいろいろな種類のものが並んでおり、誰でも手軽に購入することができる納豆。臭気指数は452Auになります。誰もが知っている、日本人であれば1度は口にしたことがあるであろう大豆を発酵させた食べ物になります。しかし、世界的に見ると臭い食べ物に分類されてしまうものになります。大豆が納豆菌により発酵がすすんでいく過程で独特の発酵臭が発生しますが、日本の中でもこのニオイが苦手で納豆は食べることができないという方も多いです。今回紹介する臭い食べ物の中で1番私たちの生活で身近なものですが、好き嫌いがはっきりと分かれてしまう食べ物でもあります。

第4位:沢庵(たくあん)


沢庵も納豆と同じく比較的私たちの生活の中で身近な食べ物の1つではないでしょうか。その起源には諸説ありますが、江戸時代から作られて食べられるようになったと言われています。沢庵は天日干しした大根を糠床に漬け込んでできる漬物になります。臭気指数は沢庵の古漬けで430Auと言われています。
大根には他の野菜にはあまり含まれていない含硫化合物(メチオニンやシステインなどの含硫アミノ酸やチオシアネートなどの硫化物)が豊富に含まれており、糠漬けが発酵する過程で微生物の分解を受けて、揮発性硫黄化合物が作られて飛散するため、それが強烈な臭みとなり、苦手という方もいます。
ただし、今は沢庵も色々な種類のものが販売されています。そのため、伝統的な沢庵とは食感や風味が異なる物も多いので全てのものが臭いというわけではありません。ただし、この沢庵のニオイは日本人は比較的大丈夫でも外国人のように慣れていない人にとっては臭いと感じてしまうことが多いです。

第5位:ぎょうじゃにんにく

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ぎょうじゃにんにくは、もともと北海道などの寒冷な山間部で自生しているネギ属の山菜になり、北海道や東北、長野などで食べられることが多いです。
他の食べ物のように具体的な臭気指数は測定されていませんが、強いにんにく臭が特徴であり、そのニオイは野生のものの方が強烈であると言われています。普通のにんにくは地下の鱗茎部を食べるのに対して、ぎょうじゃにんにくは地上に出ている葉茎や葉を食べる物になります。
にんにくの臭い原因でもあるアリシンという物質がぎょうじゃにんにくはにんにくよりも豊富に含まれているのでニオイも強烈になります。そんなぎょうじゃにんにくは天ぷらや醤油漬けとして食べられることが多いです。

[4]世界の臭い食べ物ランキングベスト5

ここからは世界の臭い食べ物のベスト5を紹介していきます。

第1位:シュールストレミング

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臭いと呼ばれる食べ物は数多くありますが、その中でも世界で1番臭いと呼ばれている食べ物になります。スウェーデンの食べ物であり、その臭気指数は8070Auであり、その臭さは日本で1番臭いと言われている焼きたてのくさやの約7.5倍になります。
ニシンを塩漬けしたものをそのまま缶に詰めてから発酵させたものになります。殺菌されずに缶詰にされるので、缶の中で発酵が進んでいき、時間が経てばたつほど缶はパンパンに膨らんでいくためあける時に注意が必要になります。
缶の中で発酵がすすんでいくことから、大気圧の関係で爆発してしまうのを防ぐためと食品衛生の関係上、飛行機で輸入することは禁止されており、日本で食べようとする場合には船で輸入しなければなりません。この強烈なニオイは、生ゴミが数日間直射日光に放置された腐敗臭、下水道、魚が腐ったニオイなどと表現されています。とても危険な食べ物でもあるので缶を開封する際の注意点が4つあると言われています。その内容は下記になります。

  1. 家の中では開封をしないこと。
  2. 缶をあける時には必ず何か不用なものを身にまとってから行うこと。
  3. 缶をあける前には必ず冷凍庫に入れてガス圧を下げておくこと。
  4. 風下に人がいないかどうかを確認してから缶をあけること。

以上のようなことに気をつけてからあける必要があるので、興味本位で遊びであけて食べてみることはあまりおすすめできないものになります。

第2位:ホンオフェ

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ホンオフェはアジアで1番臭いと言われている食べ物になります。臭気指数は6230Auになります。韓国の食べ物であり、韓国では高級食材として扱われ結婚式などの冠婚葬祭でふるまわれることがあります。ガンギエイの刺身や切り身を壺などに入れて、冷暗所で10日間ほどかけてゆっくり発酵させたものになります。
この発酵の過程において、もともとエイが持っている尿素が分解されアンモニアが発生することで強烈なニオイになってしまうと言われています。5㎜ぐらいにスライスして、醤油やコチュジャン、ニンニク、ネギなどの入ったタレにつけ、ゆでた豚の3枚肉とサンチュに包んで食べるのが一般的ではありますが、あまりにもアンモニア臭が強烈であることから、涙を流しながら食べるとも言われています。
また、強いアンモニア臭は、口の中に長くとどめてしまうと、口内がただれてしまってしまうことがあるので食べ方にも注意が必要な食べ物になります。

第3位:エピキュアーチーズ(缶詰チーズ)


エピキュアーチーズはオセアニアで最も臭い1870Auになります。ニュージーランドの缶詰チーズになります。2~3年缶詰の中で発酵させます。この発酵過程において、乳酸菌発酵がおこり、炭酸ガスや硫化水素などが発生して、缶詰がパンパンに膨らんで破裂しそうになります。そのため、食べる時に缶を開けると強烈なニオイが襲ってくるのです。チーズの中でもずばぬけてニオイが強烈ではありますが、酸味が強い味でコクも深いことから、意外と人気がある食べ物でもあります。ただし、現在は一般的なチーズの製造方法で作られるようになり、缶詰入りのエピキュアーチーズはほとんどなくなってしまっていると言われており、臭さもやわらぎ食べやすくなっていると言われています。

第4位:キビヤック

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キビヤックという名前を初めて聞くという人も多いのではないでしょうか?キビヤックはカナダのイヌイット民族やアラスカ州のエスキモー民族、グリーンランドのカラーリット民族によって作られている伝統料理の1つになります。その臭気指数は1370Auになります。
ウミスズメ類であるアパリアスを殺して60~70羽を1日日陰で寝かせます。それを内臓を取り除いたアザラシのお腹の中に詰め込んで、お腹を糸で縫い合わせて土の中に埋め込み2ヶ月~数年寝かしたものになります。その際に、空気抜きと他の動物に掘り起こされないようにするために大きな石を置くそうです。熟成が完了すると土の中からアザラシを掘り出して、お腹の中に詰め込まれていたアパリアスを食べます。基本的な食べ方はアパリアスの羽を全て取り除いて、肛門に口をつけてアザラシの脂肪とともに発酵した液体状になった内臓をすするというやり方です。
また、液体状になった内蔵は調味料として焼いた肉につけて食べるとも言われています。想像すると少しグロテクスですが、強烈な臭さはあるもののその味は海苔を巻いたゴーダチーズやブルーチーズのようでもあり、意外と美味しく食べることができるとも言われています。そして、この内臓にはビタミンが豊富であり、過酷な環境でありビタミン不足に陥りやすい北極地帯の人にとっては大変貴重なビタミンの補給源にもなっています。

第5位:臭豆腐

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チートウフウとも呼ばれる中国や台湾でよく食べられる伝統食品になります。臭気指数は420Auになります。今回紹介した臭い食べ物と比べると優しいニオイの食べ物になります。臭豆腐は植物の汁と石灰等を混ぜ合わせて、納豆菌と酪酸菌によって発酵させた漬け汁に豆腐を一晩程度つけ込んで発酵させた食べ物になります。そのまま生でも食べることができますが、油で揚げることで臭さが少し和らげられるということで油で揚げて食べることも多いそうです。ただし、このにおいは地元民でも好き嫌いがはっきりと分かれてしまうようで、中国や台湾の人でも食べることができない人も多いそうです。

[5]臭い食べ物のほとんどは発酵食品

ここまでで臭い食べものの日本と世界の各ベスト5をご紹介してきました。この中で知っているものもしくは食べたことがあるものはどのくらいありましたか?もう気づいている方も多いかもしれませんが、臭いと言われる食べ物の多くは発酵食品になります。発酵と腐敗はどちらも微生物の働きによって起こります。そのためこの両者の区別は私たちの体にとって良いものか悪いものかどうかという紙一重のものになります。

つまり、体にとって良い物は発酵、体にとって悪いものは腐敗となるのです。そのため、厳密に言うと、今回紹介している食べ物に関しても人によってはとても食べることができないほど強烈なニオイになってしまうので、腐敗したものであると思うこともあります。しかし、このように発酵されている食べ物は発酵過程を経ることにより、体の消化器官に負担がかからないようになっていたり、栄養価もアップしていたりすることが多いです。

今回、紹介しているものはすべて強烈なニオイがしますが、どれもこの発酵により栄養価やうま味がアップしているものが多く、人によってはニオイが強烈ではありますが美味しいと言えるので発酵食品になります。

[6]好き嫌いの分かれる臭い食べもの。TPOを考え上手に取り入れて食の世界を広げてみよう

今回、紹介した臭い食べものはいかがでしたでしょうか?とてもニオイが強烈なものも多いので、食べてからしばらくはそのニオイが残ってしまうこともあります。しかし、ニオイは強烈でも意外と美味しいものもあります。頻繁に食べることはほとんどないと思いますが、もし食べる場合には好き嫌いが分かれてしまうニオイでもあるので、食べる時には注意が必要です。人に会う場合や場所を考えて食べるようにしましょう。発酵食品でもあるので、決して体に悪いものではありません。今までとは違う食の世界を広げることができるので、興味がある方は1度挑戦してみても良いのではないでしょうか?ただし、上位のものを試す場合には食べ方の注意があるものもあるのでしっかりと守ってから挑戦するように心がけましょう。

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