Scent of journey ー旅の香りー パリ(フランス)

パリと聞いてみなさんはどんなことを想像しますか? きっと、多くの方は、エッフェル塔や凱旋門、セーヌ川やルーブル美術館など、観光名所を思い浮かべることでしょう。私は、パリと聞くと蚤の市やカフェがまず頭に浮かび、そこで感じた香りを思い出します。その香りとはdiptyque(ディプティック)のL’EAU(ロー)。なぜ私がL’EAU(ロー)を思い出すのか? 今回はパリとdiptyque(ディプティック)のL’EAU(ロー)についてお話しします。

2019年02月26日更新

香水/フレグランス

milly   FELICE ライター

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[1]私とParis(パリ)

私はParis(パリ)には並々ならぬ思いがあります。
それは、子供の頃からずっと行ってみたい場所であり、アンティークやカフェ文化が好きな私にとって憧れの地であったから。

大人になり、アンティークアクセサリーを販売するようになってからは、春と秋にParis(パリ)に買い付けの旅へ訪れます。ショップや蚤の市をめぐりながら、写真のようなカフェで一息つく、というのが定番の過ごし方。

その時に感じた、香ばしいカプチーノの香りと、添えられたシナモンスティックのほんのり甘くてスパイシーな香りになんども癒されました。

蚤の市やアンティークショップを巡る中、いつも鼻先を掠めていたのは、シナモンやクローブ、サンダルウッドなど、どこか個性的な香り。
そして、そんな個性的な香りこそが、掘り出し物を探そうとワクワクしながら歩き回った記憶と結びついています。
ただ、当時は記憶の中にだけあるそんな思い出の香りでしかありませんでした。

Paris(パリ)を訪れた2年後のdiptyque(ディプティック)のカクテルイベントで私は運命の香水と出会います。

その出来事については後ほど…まずは、diptyque(ディプティック)とはどんなブランドなのか、L’EAU(ロー)とはどんな香りなのかをお話します。

[2]「diptyque(ディプティック)」とは?

1961年にフランス、パリで誕生したブランドです。
フランスの美術学校出身である画家の“デスモンド・ノックス・リット”、舞台監督の“イヴ・クロエン”、インテリアやテキスタイルデザイナーの“クリスチャンヌ・ゴトロ”のクリエイティブな3人によって創業。

1963年から香りの創作を手がけるようになり、フレグランスキャンドルに続いて、1968年には最初のオードトワレ「L’EAU(ロー)」を発売。
これが人気となりシリーズ化。ブランドとしての地位を確立し、今やパリ、ロンドンのみならず、ニューヨークや東京など、世界中で愛されるブランドとなりました。

 

[3]「L’EAU(ロー)」の誕生とその香りについて

diptyque(ディプティック)創業者の一人である、デスモンド・ノックス・リットがdiptyque(ディプティック)初めてのフレグランスキャンドルの調香をしていた際、オリジナルのポマンダー(匂い玉)のペーストの製作にも着手していていました。

そして、このポマンダー(匂い玉)の香りを香水にするというアイデアを思いついた彼は、それをパフューマーの元に持ち込み、フレグランスへと生まれ変わらせ、『L’EAU(ロー)』が誕生したのです。

トップに感じるのはシナモンとゼラニウム、ローズ。ドライフラワーやポプリを両手いっぱいにすくいあげ、顔に近づけた時のような香りです。
トップミドルにはそんなに変化は見られず、ラストのみ、サンダルウッドのまろやかさが全面に出て少しソフトな印象になります。

[4]「L’EAU(ロー)」の香りと共に浮かんだParis(パリ)の景色

私がL’EAU(ロー)に出会ったのは、diptyque(ディプティック)の香りのカクテルイベントの時でした。
diptyque(ディプティック)の香りを2種類以上合わせることを香りのカクテルと呼んでおり、どんな香りとどんな香りを合わせるとオススメか、また参加者自身が香りをいろいろ試せるというイベントでした。

その時に紹介されたのがL’EAU(ロー)。
スタッフさん曰く「L’EAU(ロー)は、例えるなら下地や額縁のようなもの。これをベースにまとうと、よりバランスが良くなります」とのこと。
それで、手首にシュッと試してみたのです。

その瞬間、まるで映画のようにParis(パリ)での記憶が私の脳裏を駆け巡りました。

朝早起きして訪れた蚤の市の光景や、お気に入りのアンティークショップのウィンドウ。買い付けの途中に寄ったカフェで飲んだカプチーノとシナモン、何気ないパリの小路。次々と思い出がよみがえりました。

香りによって記憶等がよみがえる事を『プルースト効果』と呼ぶ、ということは知ってはいましたが、それを最も鮮烈に感じたのはこの瞬間でした。
Paris(パリ)で買い付け旅行をした日々の生き生きとした記憶が、まるで昨日のことのようにうかびましたから。

[5]「L’EAU(ロー」)のレイヤード

それからというもの、積極的にL’EAU(ロー)を使うことが増えました。
私は「自分の中にある心のParis(パリ)の風景」を時折思い出したいからかもしれません。

また、L’EAU(ロー)は、レイヤードがしやすい香りです。
どんな香りとレイヤードしてもLEAU(ロー)は主張しすぎず馴染み、なおかつレイヤードした香りをより美しく底上げしてくれるのです。

想いでの場所を思い出しながら、新しい香りとのカクテルを楽しめる。それがL’EAU(ロー)を愛してやまない理由です。
diptyque(ディプティック)のスタッフさんの「L’EAU(ロー)は、例えるなら下地や額縁のようなもの。」とは、真理をついた発言だなと思いました。

私が一番好きなレイヤードは、L’EAU(ロー)とサンジェルマン34の組合せです。双方の香りの良さが引き出され、なおかつ透明感のある美しい香りに変化します。
手首にL’EAU(ロー)をスプレーし、その上にサンジェルマン34をスプレーすることもあれば、膝裏にL’EAU(ロー)をスプレーし、手首にはサンジェルマン34という日もあります。

組合せかたはいろいろありますが、重なって感じる香りは特別な1日を演出します。

[6]香り×世界の都市

各都市には、それぞれその土地の個性ある「香り」が息づいています。

世界各都市に足を運ぶ度に、きっと私たちはいつのまにか「その都市の香り」まで脳裏に刻みこんでいるのだと思います。そこで見た風景や出来事と共に…。
新しい都市へ足を踏み入れるということは、自分にとって心のふるさとが一つ増えるような、そんな感覚に近い気がします。

記憶と密接に繋がっている香りは、ふとした瞬間に素敵な思い出を連れてきてくれます。
香りで、その都市を思い出すなんて、ちょっとロマンティックで素敵ですよね。

私にとってのそれは「L’EAU(ロー)」でしたが、きっと皆さんにも、「この香りを感じるとあの都市を思い出す」ということがあるのではないでしょうか。

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