香り好きなら1度は行きたい! “大分香りの博物館”の見学レポ♪

大分県別府市といえば、温泉が有名ですよね。地獄めぐりに美味しいグルメ食べ歩き…。日本を代表する一大観光地です。そんな別府には、香りを専門的に扱う博物館、その名も『大分香りの博物館』があります。人と香りの歴史から香水コレクション、さらには調香体験までできるという香り好きにはたまらない聖地。「これは、行かずにはいられない‼」ということで、早速航空券をゲットして、弾丸1泊2日で行ってまいりました!今回は見学のレポートというかたちでご紹介したいと思います♡

2019年04月15日更新

香水/フレグランス

Keiko  FELICE ライター

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[1]大分香りの博物館って、どんなところ?

湯けむりが立ち上る街へ

大分香りの博物館は、その名の通り大分県別府市にあります。すぐ近くには、鉄輪温泉や明礬温泉など、日本を代表する温泉街があります。

そんな湯けむりの街にある博物館は、今やインスタ女子にも人気のスポット。
私は、別府大学駅から徒歩で向かいました。駅から施設までは、大通りがほぼ1本道なので迷うことはないかと思いますが、歩道が狭くゆるい坂道になっているので、夏や雨の日はバスやタクシーを利用した方が良いかもしれません。

>>公式ホームページはこちら

「香り」を扱う博物館

香りをテーマにしている博物館、というコンセプトだけで、香り好きのみなさんはワクワクするのではないでしょうか。

この博物館は、もともと隣接する別府大学の100周年事業の一環で、開館されました。
博物館は3階建てとなっており、“香りプロダクトギャラリー(1F)”と“香りヒストリーギャラリー(2F)”という2つのテーマを軸にまとめられています。
そして、最上階は、体験コーナーと香りや大分に関する書籍を集めた図書スペースとなっていて盛りだくさんの内容。

展示物の総数は数千点にも及び、じっくり見たい方は、最低でも半日は確保したいところ。
香りを全く知らない方でも楽しめるような展示も多いので、老若男女問わず楽しめる博物館になっていると感じました!

[2]どんなものが見られるの?

香りプロダクトギャラリー

それでは、まずは1階の香りプロダクトギャラリーのご紹介です。
こちらでは、香りの生産方法や製品化された香水のコレクションなどが展示されています。
私はアロマテラピーで使用する精油を中心に学んでいましたが、動物性香料や人工香料のことも詳しく説明がされていて、興味深く見学しました。

蒸留器の展示

植物から精油を採取するために開発された蒸留器です。
水蒸気蒸留の機械を筆頭に、多くの蒸留器や精油採取の道具が展示されていました。こうして得られた香料は、調香師たちによって、様々な製品に作り替えられていきます。

香りのオルガン

採取された香料を、香りの系統や種類別に調香しやすいように並べてあります。
調香師たちはその棚を“香りのオルガン”と呼んでいます。まるで交響曲を奏でる指揮者のように、目的に合った香りを手に取り、中央の作業台で調香していく様子から、そのように呼ばれるようになったそうです。
こんな作業台は、アロマのブレンドをしている私にも憧れです…!!

系統ごとに味わう香水のサンプル

写真は、フローラルアルデヒド調の香りの代表とされるCHANELのNo.5です。
瓶に立ててあるスティックの先に試香用の綿がついているので、香りを嗅いでみることができます。

このほかに、シトラス調の4711、オリエンタル調のオピウムなど、代表的な香水のサンプルが用意されていました(サンプル香は変更の可能性もあるとのことです)。
説明を見ながら試香すると、いつもと違う楽しみ方ができました♪

香水コレクション

写真は展示物の半分ほど!こんなにも多くの香水を一度に見たことがなかったので、圧巻でした。
現在は廃版となってしまったものから、今も販売されているものまで礼儀正しくショーケースに並んでいます。

香水は、ボトルの美しさも重要な要素で、ボトルのデザインと香りが融合して初めて一流といわれています。ここでも、いくつかの香水の試香ができるので、お気に入りの香水を探してみてはいかがでしょうか♡

また、写真に写っていない部分ですが、香水瓶誕生の裏話や当時のデザイン画や型の展示もされていて、私はここの展示部分に1時間ほどかけて見学しました!
香り好きをときめかせるには十分すぎるほど充実した内容です!

香りヒストリーギャラリー

1階を見学し終えたら2階に進みましょう。
ここでは、世界史と医薬学と絡めて、香りが私たちの生活の中で発展してきた過程を展示しています。

たくさんの神話や伝説に登場する

香りを求めて、古代より人々は時に海を渡り、戦いに明け暮れました。
香りそのものはもちろん、香料植物がもつ薬理効果も知っていた古代人たちにとって、国の発展には、香料植物をいかに獲得できるかが重要視され、いつしか神話や伝説として語り継がれるようになりました。

イエス・キリストが生まれた際に献上された3つの品のうち2つが現在アロマテラピーでも使用される、「没薬(ミルラ)」と「乳香(フランキンセンス)」だったということや、旧訳聖書に登場するシバの女王も、イスラエルのソロモン王へ黄金とともに同じく「乳香(フランキンセンス)」と「白檀(サンダルウッド)」を贈ったと伝えられています。キリスト教をはじめ、現代でも多くの宗教儀式で、これらの香りは使用されているので、その源流を垣間見ることができます。

また、神話や伝説のみならず、古代エジプト時代の王や神官は、香りを駆使して国を治めていたという記録も残っています。
エジプトといえばミイラですが、当時遺体の防腐剤として使用されていた「没薬(ミルラ)」が語源であるという説もあるんですよ。有名な女王クレオパトラも、クローブやバラを好み、政治や美容維持に活用していたといわれています。

ご紹介したエピソードは、展示内容のほんの一部です。
2階のヒストリーギャラリーでは、古代の神話から現代にいたるまでの人と香りの歴史が、多くの裏付け資料とともに展示がされています。

アロマテラピーを学んでいて知っていたこともたくさんありましたが、テキスト上のたった一文では語れないほど多くの資料や絵画の複製が並んでおり、より実感をもって学ぶことができました。

フランスの文化

香水産業の発展は、フランスの技術や文化的嗜好が大きく寄与しています。
当時の人々の暮らしを再現したコーナーがあり、家具や調度品は、当時のものやそれに相応しいものを使用しているので、よりリアルに感じ取ることができました。
ここでは、アナウンステープも用意されているので、入口のボタンを押せば、数分間詳しい説明を聞くことができます。

日本人と香り

日本では、アロマテラピーや香水文化があまり発展していませんよね。一部の人の趣味嗜好と捉えられていることが多いと感じています。

しかし、日本にも「香道(こうどう)」と呼ばれる“香り”の文化があります。
写真は、その香道で使用する組香総包(くみこうそうづつみ)と呼ばれる和紙です。組香は、いくつかの香りの中で同じ香りをあてるという日本の遊びで、貿易が盛んになった室町時代から発展したといわれています。日本人らしく包み紙ひとつとっても雅な設えを施しているのが印象に残りました。

また、平安時代には、着物の香りづけや、当時の汚物臭を和らげるために香を焚いていた記録もあるようです。
香の元になるものは香木ですが、それは貿易で手に入れていました。日本人にとって、香りは昔から高価なものだったということがわかります。

現在の日本人が、香りを日常使いすることに抵抗があるのは、こうした背景があるのかな…などと考えさせられました。

図書コーナーと体験コーナー

最後は、最上階の図書コーナーと体験コーナーのご紹介です。
今回は時間の関係で体験コーナーには行けなかったのですが、ご紹介だけさせていただきます。

香りの文献が盛りだくさん

普段書店では見かけないような専門書もずらり。
香りの文献から、世界史、日本史、化学、薬学、化粧品、郷土資料など、壁一面に数百冊が並んでいました。
10人分ほどですが、閲覧席も用意されていたので、その場で勉強することができます。

調香体験


出典 oita-kaori.jp/experience/experience.html

大分香りの博物館では、自分だけのオリジナル香水を作ることができます。
受付で予約をすることができるのですが、混雑している日は参加ができないことも。確実に香水作りを体験したい方は、事前に確認をしておくと良いかもしれません。

今回私は時間の都合上参加ができなかったのですが、女性も男性も参加しているのが見えました。
実際に調香する前に、スタッフさんから丁寧な説明があるようなので、初心者でも気軽に参加できると思います。

旅行の記念にもなって、自分だけの香水が作れるなんて素敵ですよね♡

アロマルーム


出典 oita-kaori.jp/experience/experience.html

展示が盛りだくさんなので、実はかなりへとへとになります…。
そんな人のために、リラックスできるアロマルームが用意されています。
ゆったりできるチェアで、優しく香るアロマで芳香浴をしたら、疲れも吹っ飛び、次の目的地への糧になります!

[3]香りを知るということ

以上、大分香りの博物館見学レポートでした。いかがでしたか?

私を含め、香りを中心にライフスタイルをつくっているみなさんは、普段から香水や精油に慣れ親しんでいることと思います。
でも、その香りが一体どこから来て、どのように作られたのか知っている人は多くないかもしれません。

私も文献や実践のなかで勉強してきたつもりでしたが、この博物館の訪問をきっかけに、自分の生活を支えてくれている香りたちが生まれた背景を深く知ることができました。
そして、その香りを生み出してきた先人の知恵や、香料産業に携わるすべての方への感謝を思わずにはいられませんでした。

自分の大好きな香りの故郷を知り、使い方を見直すことで、香りライフがより充実することと思います。

みなさんも時間を見つけて、是非遊びに行ってみてくださいね♪

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