フランスの老舗パフューマリー『MOLINARD(モリナール)』での調香体験とパリジェンヌ調香師インタビュー♪

香り好きな方にとって"調香”は、一度は経験したいことの一つですよね。私が今暮らしているパリでは、世界でたった一つのオリジナルの香水を作ることができます!パリ6区にあるMOLINARD(モリナール)のブティックには調香もできるアトリエがあるんです。今回はフランス人調香師のClaire Fleur(クレア・フルール)さんに自分だけのオリジナルの香水を作る技を伝授して頂き、調香師という仕事への想いと香りへの情熱をインタビューしてきました♪その貴重な本場での調香体験レポートをご紹介していきます!

2019年05月17日更新

香水/フレグランス

大内 聖子   FELICE ライター

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[1]フランスの老舗パフューマリー『MOLINARD(モリナール)』ってどんなブランド?


出典 molinard.com/fr/

MOLINARD(モリナール)は、1849年創業のグラースの香水製造メーカーで、地元グラースで採取されたハーブや花を使用したフレグランスで有名です。当時の顧客にはヴィクトリア女王もいたほど。高級パフューマリーとして一躍有名になりました。

1939年にはニューヨーク万国博覧会にて、世界で最も美しいボトルの賞を受賞するなど、フレグランスボトルの美しさとしてもその名を馳せてきました。

現在は、5代目にして初の女性調香師兼ディレクターのCélia Bénard(セリア・べナール)のもと、今まで男性調香師が主流だった香水業界を女性が活躍できる業界にと、従来の流れを一新する存在として革命的なパフューマリーです。

そんな老舗MOLINARD(モリナール)は今年で創業170周年。フランス国内ではグラース、ニース、パリにブティックを構え、たくさんの女性調香師が活躍しています。

[2]パリのアトリエってどんなところ?

著名な芸術家が集まるパリ6区、サンジェルマンにブティック兼アトリエがあります。

10坪ほどのこじんまりとした可愛らしいブティックですが、店内はたくさんのオブジェとオリジナルの香水が陳列されていて香り好きにはたまらない、ワクワクするような空間です♡
一般のお客様はカウンター隣のテーブルで調香を体験できます。

フランスのほとんどのパフュームメゾンでは、代表となる調香師世襲制度を採用していて生まれた時から調香師となることが決まっているそうです。MOLINARD(モリナール)もその一つ。

創業当時から続く代表調香師たちの写真が飾られています。このアットホームで可愛らしい店内からも自社ブランドに対する愛情が伝わってきます…!

[3]本場の調香にトライ!

ブティック専属の調香師さんのアドバイスのもとで早速調香を始めていきます。

用意されたツールは、

・香水瓶(30ml)
・ムエット(香水を試すときに使う試香紙)
・スポイト
・香料
・調香メモ

の5つ。いよいよ調香がスタートです。

香水のテーマを事前に決めていくとGOOD!

アトリエでの調香体験は30分と時間が決められているので、前もって作りたい香水のテーマを決めていくと香料選びがスムーズです。
調香師さんによると、多くの人は自分の好きな香りをチョイスするか、プレゼントしたい相手を思い浮かべて調香するそうです。

今回、バレエ好きな私はあの有名な舞台「白鳥の湖」から第二の主人公である黒鳥、Odile(オディール)をテーマに香水を作ることにしました!

まずはベースノートをセレクト


ベーシックな香料であるウッド、フローラル、フレッシュウォーターと3本あるなかから一つを選びます。
基本となるベースノートは全く性格の違う香りなので、テーマにしっくりくるウッドの香りを迷わずチョイスすることができました。ムエットに香料をにじませて置いておきます。

6つのノートからお気に入りをセレクト

アンバー、シダー、フルーツ、グレープフルーツ、スイートアーモンド、シー(マリン)の香料の入ったボトルを開け、香りを直接嗅がずにキャップから微かな香りを確認します。それぞれムエットに香料を少量ずつにじませ、こちらも置いておきます。

ベースノートをにじませたムエットと、それぞれの6つのムエットの合計7本を片手に一束にして持ち香りを試します。その中から違和感のある組み合わせのムエットを外していきます。

黒鳥Odile(オディール)のイメージにそぐわないシダーとフルーツは調香から外しました。
そしてメモに実際に調香に使う香料の印をつけます。

ここでフランス人調香師さんの腕の見せ所がやってきました!
メモを見せテーマを伝えたところ、瞬時に各香料の分量を提示してくれたのです(時間にして1分ほど)。
その感性には驚くばかりでした。

香料を香水瓶へ

選んだ香料はウッドベース5ml、アンバー4ml、グレープフルーツ6ml、スイートアーモンド7ml、マリン8mlでした。合計して30mlとなったのでスポイトでそれぞれ一つずつ香水瓶に注いでいきます。

優しく混ぜて完了

全ての香料を注ぎ終わったところで香水瓶のキャップを閉めます。最後に香水作りにおいて一番大事な「香水をなじませる」作業を行います!このときの注意点は、香水瓶を縦に激しく振らないこと・両手の中で横に寝かせてくるくると優しく回転させること・そして香水のテーマをイメージして念を入れること、だそうです!

世界に一つだけのオリジナルの香り、黒鳥Odile(オディール)の完成です♪
知的で賢く、挑発的に表舞台へ挑むような強い女性をイメージした香りを作りました。第一印象は生命力に溢れた魅力で人を惹きつけるも、最後は「悪女」の顔を持つという黒鳥Odile(オディール)の二面性を香りで表現することができました!

ウッドベースにマリンやスイートアーモンドなどを加えたので、もしかしたらミスマッチで香り同士がぶつかるかも…と不安でしたが、調香師さんの見事な分量のアドバイスでイメージぴったりの香水が出来上がり大満足です。

[4]MOLINARD(モリナール)専属調香師の香りに対する情熱

さて今回お世話になったのはMOLINARD(モリナール)専属調香師であるClaire Fleur(クレア・フルール)さん。パリの香水学校を卒業した後、MOLINARD(モリナール)に入社し現在に至るそうです。

実は大の日本好きであるクレアさんは、日本人の多くがライトで淡い香りを好むことも知っていました。「日本とフランスは香りに対する考え方が真逆。フランスでは人にどう思われるかより、自分の大好きな香りを気にせずたっぷりつけて」とも。

彼女の素晴らしい感性とスピード感に感銘した私は「クレアさんはnez(ネ)と呼ばれる調香師さんですか?」と聞いてみました。「実はまだnez(ネ)のアシスタントなの。将来は必ずnez(ネ)になるつもり!」との返答が。

nez(ネ)とは、「鼻」を意味し、最高峰の調香師に与えられる称号です。彼女ほどの実力でもアシスタントであるということに驚いたと同時に、本場フランスでの調香レベルの高さに改めて脱帽する思いでした。

またクレアさんの苗字、Fleur(フルール)はフランス語で“お花”を意味します。この苗字はフランスでは大変珍しいもの。彼女はまた「私は名前の通り、香水のために生まれてきたのよ!この仕事を心から愛しています。」と満面の笑みで応えてくれました。

フランスの調香師さんたちは香水を作ることだけを専業としていない場合が少なくないようです。クレアさんのようにブティックに立ち、どの香水にどんな香料を使用しているかお客様に説明をしたりとアドバイザーとしても活躍するそうです。

調香に関わった方から直々に香水を買えるなんてとっても贅沢な気分になりますよね♪
それほど本場フランスの調香師さんたちの香りへの情熱は素晴らしいものなのでした。

[5]フランスでの調香体験は最高の思い出になる!

いかがでしたでしょうか?
香りの本場フランスではこのようにオリジナルの香水の作り方を、高い技術を持った調香師さんたちが丁寧に教えてくれます。
香り好きの方にはきっと最高の思い出になること間違いなしです!

フランスに旅行する際は、ぜひアトリエで世界でたった一つの香りを調香してみて下さいね!

取材協力/BOUTIQUE MOLINARD PARIS 
調香体験/英語・フランス語対応(要予約)

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