とびきり可愛い♡マリーアントワネット御用達の香水メゾン『Oriza.L.Legrand(オリザ・ルイ・ルグラン)』

“香水を着けない人はいない”と言ってよいほど、香りはフランス人にとってマストなアイテムです。私が暮らすパリでは新旧たくさんの香水ブティックが存在しているのですが、なんと“マリーアントワネットご用達の香水屋さん”という、古い歴史を持つ素晴らしい香水メゾンを発見しました!今回はこのマリーアントワネットの世界観そのままの、とびきり可愛い香水メゾン『Oriza.L.Legrand(オリザ・ルイ・ルグラン)』の魅力をご紹介します。

2019年07月09日更新

香水/フレグランス

大内 聖子   FELICE ライター

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[1]『Oriza.L.Legrand(オリザ・ルイ・ルグラン)』の華麗なるヒストリー


出典 orizaparfums.com/en/paris-store

パリ・オペラ座近くにある香水ブティック、『Oriza.L.Legrand」(オリザ・ルイ・ルグラン)』は、なんとルイ15世の時代から続くフランス王室御用達のパフュームメゾンです。1720年にマリー・アントワネットの調香師であったジャン・ルイ・ファージョンとその家族によって創設されました。

ファージョン一族はマリーアントワネットお抱えの調香師として、とても大切にされていたそうです。

当時のフランスは不衛生だったため、香水が“体臭を隠すもの”として使用されていたのはとても有名な話ですよね。その強い体臭をカバーするのに使われたのは、ムスクやアンバーなどの動物性の香りが主流だったようです。

マリーアントワネットだけはそんな常識を覆し、フローラル系の香水を好んで身にまとっていたそうなので、ファージョン一族ともに時代の先を行く感性の持ち主だったようです。

その後ナポレオンやその妻ジョセフィーヌをはじめ、シューベルトなど著名な芸術家にも『Oriza.L.Legrand(オリザ・ルイ・ルグラン)』の香水は愛され、フランス国内に留まらずイタリアやロシア、イギリスの宮廷にまで輸出されるようになります。

『Oriza.L.Legrand(オリザ・ルイ・ルグラン)』社のビジネスは成功し、パリ万国博覧会では1867年に銅メダル、1889年に金賞、1900年にはグランプリに輝き国内外の名声を得ました。

ブランド名の「Oriza(オリザ)」という名前は、化粧品の原料のひとつであった“お米”のラテン語に由来しているそうです。

香水だけでなくスキンケア用品にも力を入れています。そのクリームやパウダーは18世紀のフランスの絶世の美女と称された作家のニノン・ド・ランクロの“永遠の美の秘訣”と言われ、当時の高級化粧品ブランドとしても人気を総なめにしていたそうです。

現在でも『Oriza.L.Legrand(オリザ・ルイ・ルグラン)』は、昔と変わらず原材料は全て天然のものを使用しフランスで香水を製造していて、パリジェンヌの間では“知る人ぞ知る”ブランドです。

[2]マリーアントワネットが愛したパフュームメゾンの世界観

実際のお店はとてもこじんまりとしていて、控えめな佇まいです。ですがお店に足を踏み入れた瞬間に誰もが「可愛い!!」と感じるに違いありません。

まるでヴェルサイユ宮殿の秘密の寝室を訪れたかのような内観です。高級感がありながらも、可愛いさとヴィンテージが入り混じったインテリアにすっかり魅了されてしまいました。

商品のラインナップは、香水のほかにルームフレグランス、フェイシャルクリーム、石鹸、バスソルト。決して商品数は多くはありませんが、スタッフの皆さんもフレンドリーで香りにまつわる話をたくさん教えてくれるので、ついつい一日中お店にいてしまいそうな居心地の良い場所でした。

1720年から約300年ほどの歴史を持つ『Oriza.L.Legrand(オリザ・ルイ・ルグラン)』ですが、その栄光がずっと続いたわけではありません。

1920年代にはファッション界の発表する斬新な香水に押されてしまい、フランスの香水業界から忘れ去られてしまった辛い時期もあったそうです。

2012年に経営陣を一新して、オペラ座近くの現在のブティックにて再オープンしたそうです。“原点回帰”をモットーに、ボトルデザインや石鹸のパッケージデザインを当時の雰囲気そのままに復活させました。

残念ながら現在ではマリーアントワネットが使用していた香りは復刻されていませんでしたが、19種類の香水の試香ボトルには発売された年号がしっかりと明記されていました。

そのほとんどが1800年代後半から1900年代前半に造られたもので、驚きと興奮のあまり全種類の香りを試してみたほどです!

実は『Oriza.L.Legrand(オリザ・ルイ・ルグラン)』は、練り香水を初めて製造したブランドなのだそうです。現在は製造を一時中止していますが、当時のお洒落でレトロなブリキ缶のケースを見せていただけました。

昔は縦長のケースに入った練り香水もあり、リップクリームの要領で首筋に着けていたとか。そんな“元祖”の練り香水、ぜひ再発売していただきたいと切に願います。


 

[3]古き良きフランスの香りの数々

歴史ある『Oriza.L.Legrand(オリザ・ルイ・ルグラン)』の気になる香水ですが、ブティックのスタッフさんに説明いただいたアイコン的な香水3選をご紹介していきます!

Violette du Czar(ヴィオレット・ドゥ・クザル)

1862年に製造された、『Oriza.L.Legrand(オリザ・ルイ・ルグラン)』で最も古い香水

トップノート:スミレの葉、野生のスミレ
ミドルノート:フランス・ニース産のスミレ
ラストノート:ロシアンレザー、アンバー、ガイアックウッド(南アメリカ原産の樹木)

という非常に珍しい香りでした。

フランスのパフュームメゾンのうちで唯一ロシア宮廷に輸出を許されたという歴史を持つ『Oriza.L.Legrand(オリザ・ルイ・ルグラン)』は、これを記念として稀少なロシアンレザーを原料とした香水を造りました。

トップノートは繊細ですが時間がたつほどに大胆なレザーの香りが出て、そして優雅な香りに変貌します。レザーの香りにかなりインパクトがあるので、男性用のフレグランスと言えるでしょう。

Foin Fraichement Coupe(フォアン・フレッシュモン・クーぺ)

Foin Fraichement Coupe(フォアン・フレッシュモン・クーぺ)

1886年に発表された、ヴィンテージ感のあるパッケージデザインがとても魅力的な香水です。
“Foin Fraichement Coupe(フォアン・フレッシュモン・クーぺ)”とは「刈りたての干し草」の意味。

トップノート:アンジェリークの花、スターアニス、ミント
ミドルノート:クローバー、クラリセージ、ニュームーンヘイ(新月の日に採れた干し草)
ラストノート:ホワイトムスク、アイビー、干し草 

中世のヨーロッパでよく使われていた香料ををふんだんに取り入れた香水です。干し草の香りは日本人にはあまりなじみがなく、イメージするのは難しいと思います。ヨーロッパ・フランスでは主に干し草は麦畑で採れたもので、南仏が原産となります。

乾いた甘さがあり、ひなたのぬくもりを感じさせるような温かみのある香りです。少し甘みのあるスモーキーなタバコの香り、という表現がしっくりくるでしょう。

フランスの小説でよく出てくる表現に“干し草の香り”というのがあります。フランス人にとってそれは田舎の光景を思い出させる、郷愁をかり立たせるような懐かしい香りなのだそうです。スモーキーさがありつつも、草花の清潔感も漂う逸品です!

Rêve d’Ossian(レーヴ・ドオシアン)

Rêve d’Ossian(レーヴ・ドオシアン)

1900年に発表された「詩人オシアンの夢」というタイトルで、『Oriza.L.Legrand(オリザ・ルイ・ルグラン)』での人気ナンバー1の香水だそうです!

古代ケルトの伝説的詩人、オシアンは18世紀末から19世紀末にかけてのロマン主義運動の発展に影響を及ぼしたほどヨーロッパでは有名です。あのゲーテが「若きウェルテルの悩み」でオシアンの詩を引用したほど。

『Oriza.L.Legrand(オリザ・ルイ・ルグラン)』のオーナーが“完璧な香水”と言うほどのアイコン的香水で、1900年のパリ万国博覧会ではグランプリを受賞しました。

トップノート:フランキンセンス、パインツリー
ミドルノート:シナモン、ベンゾイン、トンカビーン
ラストノート:トルバム、サンダルウッド、レザー、ラブダナム、アンバー、ムスク

とても貴重な香料を使用しています。そしてこの香水は「これ!」というはっきりとイメージできる対象はなく、複雑な香りでした。

深い森の香りもしますし、神聖な古い教会にいるような香りもします。懐かしい感覚とはまた違う、古のイメージがしました。シンプルさを一切排除した、まさに芸術家が愛するような奥深い香りです。

香水そのものの存在が主役となりそうな、素晴らしい作品です。

フェイシャルクリーム

Oriza.L.Legrand」(オリザ・ルイ・ルグラン) フェイシャルクリーム

オーガニックコスメがたくさんあるフランスですが、『Oriza.L.Legrand(オリザ・ルイ・ルグラン)』の世界観に魅了された私は、人気商品の一つであるフェイシャルクリームを購入し早速使用してみました。

女性のホルモンによる不調を軽減してくれるというゼラニウム精油を使用していて、アンチエイジング効果もあるのだとか。

就寝前に使用すると朝までゼラニウムの良い香りが残っています。天然香料のみという事実にとても驚きました。美容液も兼ねているクリームなので、高級パフュームメゾンの中では良心的なプライスです。(69ユーロ/およそ8630円)

香水、スキンケア商品と実際に手に取ってみて気づいたのは、香りの持続性が非常に長いということ、そして香りの共通点が“華やか”であることでした。

可愛らしい内観とパッケージデザインに注目しがちですが、伝統を継承した製品自体も素晴らしいものばかりで、過去に著名なフランス人から愛されたパフュームメゾンというのも納得です。

全19種類の香水のうち、1800年代に発表されたものが4つ、1900年代初頭に発表されたものが14、そしてその後は2016年にひとつのみとなっています。

全体的にモダンな香りがないので、正統派の香りを探している方、フレンチヴィンテージがお好きな方にはぴったりのパフュームメゾンです。

[4]パリで必ず訪れたい香りのブティック!

パリの女性

香り好きな人にとって、パリでの香水ブティック巡りは、フランス旅行の最大の楽しみでもあるはずです。

これからパリへご旅行の予定のある方は、ぜひ『Oriza.L.Legrand(オリザ・ルイ・ルグラン)』にてフランス最古の香りを試してみてくださいね。

彼らはフレグランス界での“原点回帰”をモットーとしています。ブティックだけでも一見の価値ありなのですが、ここでフランスの香水のルーツをたどってみるのも良いですね♪

素敵な香りとの出会いがありますように…♡

>>公式ホームページはこちら

【Oriza.L.Legrand(オリザ・ルイ・ルグラン)】
18 rue Saint-Augustin – Paris 2ème
英語・フランス語対応可


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