【医師監修】あなたのクサい口臭の原因は〇〇だった!対策と予防法について

自分ではなかなか気づかない口臭。しかし口臭とひとことに言っても原因は実に様々です。現代社会で、大人のたしなみとして口臭を予防することは当たり前になっていますが、口臭の本当の原因を理解して予防している方は少ないのではないでしょうか。 ここでは口臭の種類、原因をご紹介いたしますので、ご自身に当てはまるものがあるかどうかチェックし、適切な対処をしましょう。

2018年12月14日更新

お口のケア/口臭対策

井上 剛 先生 (歯科医)

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[1]そもそも口臭とは?

口臭とは文字通り、吐く息によって口から出される悪臭の総称であり、周りから悪臭だと判断されれば「口臭」だと言えます。日本臨床矯正歯科医会(※)が2008年に行った意識調査によると、10歳代~50歳代の男女1000人のうち、気になる生活習慣病として歯周病が第2位の37.3%であり、口に関して気になることとして口臭が挙げられていて、むし歯(52.8%)や歯並び(36.5%)を抑え、第1位(53.8%)となっています。

このように口臭がいかに多くの方が気にしているテーマかという事が分かります。

口臭には種類がある

口臭は大きく2種類に分類されます。

■生理的口臭

口臭の約70%を占め、誰にでも起こる口臭です。普段は唾液の抗菌作用によって口臭は抑えられているものですが、例えば起床時・空腹時・緊張時などのタイミングでは、唾液の分泌量が減少するため細菌が増殖し、口臭が発生します。唾液量が減る事で口内が乾き酸性化し、細菌が好む環境になるのです。しかし、病気で引き起こされる口臭ではないので、時間の経過とともに消失します。

■病的口臭

治療が必要となる口臭です。その中でも、歯周病や虫歯などの口内のトラブル、胃炎などの胃のトラブル、膿栓など様々な原因が考えられます。それぞれの専門医師に相談し治療を進めていくようになります。

[2]口臭の本当の原因とは?

口臭の原因は様々ですので、ご自身がどれに当てはまっているのかを知る事で適切な予防・対策ができます。具体的にどのような原因があるかご紹介していきます。

生理的口臭が原因

普段生活している中で誰もが起こり得るタイミングで口臭が発生しますが、時間帯や状況によって変わります。病気が原因の口臭ではないため、いつもの生活にプラスαのケアをすることで、口内がスッキリし口臭を抑えることができます。

<起床時の口臭>

口臭は生活リズムによって強弱が変化していきますが、ニオイの値が最も高くなるタイミングは「起床直後」です。朝起きた時に起こる口の中のネバネバ、何とも言えない不快感がある場合は必ず口臭が発生しています。「モーニングブレス」とも言い、誰にでも起こる強い口臭として知られています。

原因としては、睡眠中に唾液の分泌量が減少し細菌が繁殖します。口の中に食べカスや舌の上に汚れが残っていると口臭の原因である「揮発性硫黄化合物」をたくさん作るためニオイがきつくなるのです。その中でも起床時は硫化水素の濃度が高くなることから硫黄のようなニオイがするとも言われています。

<緊張時の口臭>

「緊張すると口が渇いて臭くなる…」とよく言われます。
まさに人は緊張した状態が続くと、自律神経である交感神経が優位に働きます。その結果、唾液の分泌が減少し、細菌の増殖から口臭が引き起こされるのです。また、口の中の緊張状態が続くと、喉の奥が嫌気的になり、口蓋扁桃や舌の付け根あたりの扁桃細胞のあるところに悪臭がたまりやすくなり、口臭が発生するようです。

<アルコールやタバコの口臭>

アルコールは口臭の原因とよく知られていますが、それはアルコール代謝産物と脱水症状を起こすからです。お酒を飲むと、アルコールが肝臓で「アセトアルデヒド」に分解され、それが体内に吸収されると、血流にのって肺に伝わり口臭となって吐き出されます。

それに加え、お酒は利尿作用が強いため、脱水症状を起こしやすくなります。お酒を飲むとトイレが近くなったり、後になって口の中が乾きやすくなるのはそのためです。

体内の水分が失われると唾液の分泌量も減少し、唾液による殺菌作用や自浄作用が低下し、口臭が発生してしまうのです。また、タバコによる口臭に関しては、タバコ成分に含まれるタール・ニコチン・一酸化炭素が肺内に溜まり、吐く息と一緒に口臭が発生します。

ニコチンは歯垢や歯石の付着しやすい環境を作り唾液の分泌量を低下させるため、喫煙後は口の中がネバネバする原因にもなるのです。

<食べ物による口臭>

食事の後の口臭に関しては、特に日頃から気になる方が多いかと思います。
口臭の原因になりやすい代表的な食べ物をいくつかご紹介いたします。

■ニンニク
■ニラ
■ネギ
■らっきょう
■納豆

これらは健康にも良いとされていますので、食後の歯磨きなど口内ケアをしっかり行いましょう。

病的口臭が原因

口臭の中には、何かしらの体のトラブル、疾患によるものがあります。その中でも8〜9割が口腔内のトラブルが原因だとされています。口腔内のトラブルが改善されても口臭を感じる場合には、他の病気が原因という可能性も大いに考えられます。

<口の中のトラブルが口臭の原因>

病的口臭が疑われた場合は、まずは歯科で治療を受けることをおすすめします。問診、尿検査、歯科検診などを行い、トラブルが見つかり次第、治療を進めていくようになります。

■歯周炎・歯肉炎
歯周ポケット(歯と歯茎の境目)にプラーク(歯垢)がたまると、細菌によって歯肉が炎症を起こしやすくなります。その歯周病の原因菌が増殖し、唾液・血液・食べカスに含まれるたんぱく質を分解して口臭を発生します。

この状態を放っておくと更に炎症が悪化し、出血したり膿がたまって悪臭を放つことになります。

■虫歯
虫歯が進行すると、その穴に食べカスが詰まりやすくなります。歯磨きしてもなかなか取りに
くいため、時間が経過するとともに口の中の細菌が増殖・発酵し口臭が発生するのです。

■舌苔(ぜったい)
舌苔とは、舌の表面に角質が多くでき、その隙間に細菌や汚れが溜まったことにより舌の表面が白く苔が生えたようになるものです。舌苔ができる原因としてはいくつか挙げられます。

  • 口の中に細菌が入り込む
  • 舌表面の上皮が剥がれ、溜まったものが舌苔になる
  • 食べカスが舌に残る
  • 口呼吸により口の中が乾燥し、汚れが取りにくくなる
  • 唾液の量が減る
  • 舌の運動機能の低下
  • 抗生物質やステロイド剤を長時間飲み続けることで、口腔内の細菌の種類が変わり舌苔になりやすくなる

…など様々な原因がありますが、舌苔自体を治療する必要はありませんので、日頃から舌専用のブラシでブラッシングして取り除くといったケアが口臭予防に繋がります。

<そのほか病気によって引き起こされる口臭の原因>

歯科検診でも原因が見つからない場合には、他の病気・体の不調によるものかもしれません。

■胃の不調
胃の不調が原因で口臭が発生するがことあります。これは胃腸の不調により舌表面に変化が起き、舌苔が発生することにより口臭の原因になります。東洋医学の観点では舌表面にある糸状乳頭の毛足が長くなることで舌苔が付着しやすくなると言われていて、外界からの刺激物から胃腸を守るための防御反応とも言われています。

口腔内に問題がないのに口臭を感じ、胃に不快感を感じる場合などには、次のような胃の病気を疑い、消化器科で診察してもらいましょう。

    • 急性胃炎(まんせいいえん)

    刺激物摂取や感染症により急激に起こる胃の炎症

    • 慢性胃炎(きゅうせいいえん)

    乱れた食生活やストレスで胃炎が慢性的に起こる症状

    • 胃潰瘍(いかいよう)

    ストレスによる飲酒・喫煙などが原因で胃酸が胃の粘膜を溶かしてしまう症状

    • 十二指腸潰瘍(じゅうにしちょうかいよう)

    胃と腸をつなぐ十二指腸が胃酸によってただれてしまう症状

    ■便秘
    便秘、つまり便が長く体内に貯留されることで、腸内で悪玉菌が増加し、便の腐敗と発酵が進行されます。その腐敗した便から発生する有害物質が血液にのって全身に行き渡り、皮膚や呼吸から排出されるようになります。


    そのため、便臭に似た口臭になってしまうのです。更に便秘の期間は長いほど、口臭も発生しやすくニオイもきつくなりやすいと言われています。特に便秘に悩まされている女性は男性に比べて2倍多いとされています。

    女性は、弱い筋力、ホルモンバランスの関係、ダイエットの関係、便意の我慢などにより、男性よりも便秘になりやすい原因を持っているのです。ダイエットが原因で起きる口臭は「ダイエット臭」とも言われ、糖質制限を行うことで体の脂質を代謝し、代謝産物であるケトン体(特にアセトン系)を発生することで、独特の口臭を引き起こす原因になります。

    ■膿栓
    膿栓とは別名「くさい玉」「におい玉」とも呼ばれる、喉の扁桃腺の近くにできる固形物(米粒大の塊)のことを指します。その正体は細菌と白血球の死骸の塊で、これ自体非常に強い悪臭を持っているのです。膿栓ができると、喉がイガイガしたり、喉から鼻から抜ける口臭を感じるようになります。

    自分で無理に取ることはせず、耳鼻科など専門家に診察をしてもらいましょう。

    ■その他の病気
    その他にも以下のような原因から口臭が引き起こされます。

    • 悪性腫瘍による口臭
    • 副鼻腔炎(ちくのう症)・鼻炎など耳鼻科疾患による口臭
    • 糖尿病・肝疾患・腎疾患による口臭

    [3]口臭を改善するための対策とは?

    生理的口臭の予防とは

    上記でご紹介したように、口臭は「唾液の分泌量」が低下し口が乾くと口臭が起きやすくなることが分かりました。よって、「唾液量を増やす」ことがポイントになります。よく噛んで食事をしたりガムを噛むことで、唾液腺の活動を活発にしたり、歯磨きやうがいなど口腔粘膜を刺激することも唾液分泌を促します。

    また、緊張して口が乾く時は、深呼吸をして水分補給をして口を潤し、リラックスすることも効果的だと言えます。食事後の歯磨きはもちろんのこと、起床時にも歯磨き・舌磨きをし、日頃から口腔内を清潔にしておくことを習慣化しましょう。

    病的口臭の予防とは

    病的口臭のほとんどが口腔内のトラブルですので、口の中に違和感を感じる前に、定期的に歯科検診することをおすすめします。また、舌ブラシを使って舌苔を除去したり、洗口剤を使用してプラーク内の細菌増殖を抑えるなど、日頃からケアできることは取り入れましょう。

    [4]口臭の原因を知って予防しましょう

    口臭は気にしているものの、その原因まで追求している方は少ないかと思います。当たり前のように食後の歯磨きをしていても、虫歯や歯周病などが原因だとは初めは気付きにくいものですよね。口臭予防をすることは、大人のエチケットであると同時に、健康状態と大きく関わりがあり見逃してはならないものです。

    普段からオーラルケア、健康管理に気を配り、いつでもさわやかなお口で楽しくライフスタイルを送りましょう。

    (※)日本臨床矯正歯科医会HPはコチラ


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