パリのラルチザンへ!本場のスタッフがおすすめするツウな香りの楽しみ方♪

フランスのニッチフレグランスブランドの中でも、世界的に知名度の高い『L’ARTISAN PARFUMEUR(ラルチザン パフューム)』。私が暮らすパリには6つものブティックがあり、香水のエキスパートがたくさん働いています。今回はお洒落なパリジェンヌが通う、マレ地区にある『L’ARTISAN PARFUMEUR(ラルチザン パフューム)』の路面店にて香水の楽しみ方を伝授していただきました。日本未発売の香水と共にレアな情報をご紹介していきます!

2019年08月29日更新

香水/フレグランス

大内 聖子   FELICE ライター

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[1]パリジェンヌにも大人気のラルチザン


出典 artisanparfumeur.com/home.html

『L’ARTISAN PARFUMEUR(ラルチザン パフューム)』と言えば、ニッチフレグランスの代表格としても有名なフランス発のフレグランスブランドです。

日本でも愛用している方が多いと思いますが、私が暮らすフランスでは、香りツウではなくとも知らない人はいないというほどの知名度です。

天然香料にこだわり、ひねりのあるネーミングセンスには、個性を重視する“フランスらしさ”がギュッと詰まったフレグランスブランドと言えるでしょう。

香水だけではなく、ニッチなファッションブランドの路面店が点在しているパリ・マレ地区にラルチザンパフュームのブティックはあります。

店内、外観ともに生花で彩られていて、ブティックに入る前から良い香りが漂っていました。芸術の都として名高いパリですが、幅広いジャンルのブティックの中でも香水のお店は一際センスが光っています!


出典 instagram.com/lartisanparfumeur/

以前はゴールドのキャップが特徴のきらびやかなボトルデザインでしたが、4年前にボトルをオールブラックにリニューアルしたとのこと。色彩もより一層モダンになり、“ユニセックス”を意識した近代的な内装です。

フランスでは『L’ARTISAN PARFUMEUR(ラルチザン パフューム)』の愛好家として多いのがマダム層です。

そしてファッション業界で活躍する男性や女性からも人気だそうで、私がブティックを訪れていた時もリピーターと思われるお客様で賑わっていました。

[2]日本未発売・サーカスの香り「DZING!(ジング)」

まずは日本未発売のユニークな香りをご紹介します。「DZING!(ジング)」とは、宙を舞うようなくるくるとした様を表す擬音です。

一度で覚えられるノリの良い名前、そして“サーカスの香り”の珍しさにはワクワクしました。ラルチザンブティックのアドバイザーの中でも一番人気が高い香水だそうです。

・トップノート…アイリス(スミレ)
・ミドルノート…レザー
・ラストノート…キャラメル

本来ラストノートであるはずのレザーの香りが、なんと最初から全面に主張してきます。スミレの青々しさも混ざって、少しだけ埃っぽさがあります。そしてちらちらとキャラメルの甘さが漂い、なんともにぎやかな香りです。

実はこの香水、サーカスの空中ブランコのように、ゆらゆらと多種多様な香りが現れては消え、また消えては現れるという不思議な特徴のある香水なんです。

1999年に発売されて以来、ラルチザンの中でも“傑作”と言われている「DZING!(ジング)」。

従来の香り立ちとは異なる性質を持った、この世にも珍しい香水は、一度経験してしまうとかなり癖になる香りです。

香水を何本もコレクションしている方が香りを1本に絞りたいときにこの「DZING!(ジング)」が選ばれそうな、香りツウの人向けの香水です。

[3]ラルチザンの香りのタイプ


出典 artisanparfumeur.com/en-gb/home.html

以前より『L’ARTISAN PARFUMEUR(ラルチザン パフューム)』の「Traversée du Bosphore(トラベルセ・ドゥ・ボスフォ)」(日本未発売)を愛用している私は、大のオリエンタルノート好きでもあります。

「Traversée du Bosphore(トラベルセ・ドゥ・ボスフォ)」は、西洋と東洋の中間地点のトルコ・イスタンブールをイメージした香りです。

青リンゴとピスタチオが混ざったえぐみのある香りから始まり、ラストノートは水タバコとレザーの香りで着地します。

そのレアで郷愁のある香りに魅了されていたのですが、もっとラルチザンを開拓してみたい!という思いから新たな香りに挑戦してみることにしました。

各香水のタイトルはシンプルですが、ウィットに富んでいる名前のものばかり。

例えば「DROLE DE ROSE(ドロール・ド・ ローズ)=お茶目なバラ」や「LA CHASSE AUX PAPILLONS(シャッセ・オ・パピオン)=ちょうちょをつかまえて」などです。

フランスの香水によく見られる特徴ですが、初見では香りの想像がつきませんよね。そこで香りのエキスパートであるアドバイザーの方にラルチザンにおける香り選びのコツを伺いました。

まず、ラルチザンでの4つの香りのタイプから大まかにチョイスするそうです。

・フレッシュ
・オリエンタル
・ウッディ
・フローラル

そして3つのタイプの香りの持続性からも好みのものを選びます。

・オードパルファム(濃度が強く持続性が5~12時間)
・オードトワレット(ソフトな香り立ちで持続性が2~5時間)
・オーデコロン(最もライトで持続性が1~2時間)

この2つのフィールドから好みの香水にたどり着けるそうです。

もちろん時間によって香りが変化するので、即決せず「一度家に帰り、香りをつけてベッドに入る」ことをおすすめされました。フランスではほとんどの家庭が朝にシャワーを浴びるので、香りと共にベッドに入ることも珍しくありません。

確かに、朝起きて自分から漂う香りが「好き!」と思うことができたら素敵ですよね。

[4]アドバイザーの斬新な香りのテクニック

この日は自力で店内にある香水をいくつか試香するも、なかなかしっくりくる香りが見出せませんでした。

個人的にはオリエンタルの「Traversée du Bosphore(トラベルセ・ドゥ・ボスフォ)」を愛用中だけどもう少しスパイスの効いた香りを探していること、オードパルファムほど持続性が強いものを探していることをアドバイザーに伝えました。

そこでアドバイザーから斬新なテクニックを披露していただきました!なんと“迷ったときは二つの香水をミックスさせてしまう”方法です。

今回、私におすすめいただいた香りはこの2つです。

①「BOIS FARINE(ボア・ファリヌ)」

ボア・ファリヌは“森のパウダー”というフランス語訳です。インド洋に浮かぶフランス領の島「レユニオン島」に生息する、赤い花をなす木をイメージしているそうです。

この赤い花からは微かにパンの香りがするらしく、香水でもパン生地とナッツを混ぜたような香ばしい香りを表現しています。

ただ柔らかい甘さだけではなく、ウッディならではの太さもあります。

・トップノート…アイリス(スミレ)
・ミドルノート…ムスク
・ラストノート…小麦


 

②「PATCHOULI PATCH(パチュリ・パッチ)」

パチョリ・パッチは、1978年創業当初のラルチザンパルフュームのオリジナルフレグランスの1つ。ラルチザンではウッディ系でもアイコン的な香りです。

アジアの標高の高い地域で生息するハーブであるパチョリは、どことなく湿った土の香りで、雨上がりの森を連想させます。

ウッディの香りが際立つので気品のある香りです。

・トップノート…オークモス(苔)
・ミドルノート…パチュリ
・ラストノート…プラム


 

ミックスの仕方

①の「BOIS FARINE(ボア・ファリヌ)」と②「PATCHOULI PATCH(パチュリ・パッチ)」の順に、デコルテに浴びるようにかけられました。

アドバイザーいわく、手首などに“点”として着けるのではなく、上半身に“面”としてたっぷり着けると香りがふんわりとミックスされてより良い調合になるのだとか。
※強い香りに抵抗がある方は足元がおすすめです。

①の「BOIS FARINE(ボア・ファリヌ)」と②「PATCHOULI PATCH(パチュリ・パッチ)」はどちらもウッディ系でオーデトワレに分類されます。

当初私が希望したオリエンタル系・オードパルファムはどちらも却下されましたが、そのミックスされた香りは見事なスパイシーオリエンタルとなっていました。

どちらの香りも東洋をイメージしていること、ウッディのかっちりした香りがほのかなスパイスになっていることが絶妙に合わさり、これぞ目的の香り!となりました。

ラルチザンオリジナルのムエットも素敵です。

香水を選ぶ際、少なからず考え方がマニュアル化している時があります。オフィスには○○系の香り、デートにはスウィートな○○系の香り…など。

でも、きっと香水選びに正解はないのだと思います。

嗅覚は五感のなかでも一番早く脳に伝わるので、もともと感性の鋭い部分です。香水こそ目に映らないものなので、原料等に関わらずフィーリングで選ぶのが良いかもしれません。

[5]まさに香りの職人


出典 artisanparfumeur.com/en-gb/home.html

「L’ARTISAN PARFUMEUR(ラルチザン パフューム)」は、“香りの職人”を表すフランス語訳です。ラルチザンのアドバイザーの斬新なテクニックは、絵具を混ぜてオリジナルのカラーを作り出すような、まるで画家のようなものでした。

香水の本場フランスではこのように香りのエキスパートが各所にいます。もしパリを訪れる機会があれば、ぜひ香水アドバイザーにアドバイスを伺ってみてくださいね。

本来の香水の在り方や、香水のアーティスティックな部分を教えてくれることでしょう!


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