フランス人が秋を感じる香り。秋の夜長に似合うロマンチックな香水たち

私が暮らすフランスでは、秋の訪れが日本より早くやってきます。バカンスを終えたフランス人たちは仕事も恋愛もスイッチオンの状態に!そしてフランスの秋は収穫の季節でもあります。香りの市場が最も活性化する、秋のフランス。夏のシーズンとは打って変わって濃厚でロマンチックな香りが主役になります。今回は秋の夜長にぴったりな、フランスで人気の香水をご紹介します!

2019年09月05日更新

香水/フレグランス

大内 聖子   FELICE ライター

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[1]日本より早いフランスの秋の訪れ

フランスでは早いもので8月の2週目辺りから、秋の気配が訪れます。

夏の間は日没時間が22時前後と、日照時間が長く太陽を思いっきり楽しめましたが、こちらでは既に秋本番となっています。最近ではどんどん秋めいてきました。

夏のバカンス取得期間が平均3週間と長い夏季休暇をとるフランス人ですが、9月には一斉にみんなが社会に戻ってきます。新学期が始まるのも9月です。

さらにフランスでは秋からクリスマスシーズンに向けて一気に経済が活性化する季節でもあります。実は企業の雇用も盛んになる季節なんですよ。

普段は仕事嫌い(?)で有名なフランス人たちも、秋は本格的にお仕事モードに切り替わります。さらにフランスの中でもパリの秋は悪天候が続くので、プライベートは家でゆっくりしたり、近場の美術館などで文化的な趣味を楽しむことが多いようです。

写真はノートルダム寺院の近くにある歴史のある書店です。日本と同じで読書の秋でもあるようです。

仕事が忙しい時こそプライベートではゆっくりと身体を休めたいものですよね。貴重な時間を大切な人と共有することも多くなります。

さてフレグランスのシーンでは、夏の爽快感のあるアイテムとは打って変わって濃厚で持続時間の長い香水が主流となります。

そこで今回はパリで発見した、秋にぴったりのロマンチックな香水をシーン別にご紹介します!

[2]秋はブドウの収穫の季節!赤ワインの香水

フランスと言えば世界一のワインの名産地!9月~10月にかけて各所でブドウの収穫祭が行われます。

ワインと言えばボルドーやブルゴーニュ地方が有名ですが、私が暮らしているパリ・モンマルトルの丘にも小さなブドウ畑があります。

毎年10月にはブドウの収穫祭で地元が盛り上がります。


出典 instagram.com/p/Bo3qnJfhtcC/?igshid=12q9t3thf6cyg

フランス文化のなかでもワインは筆頭に挙がるほど、ワインの生産はフランス人の誇りです。

ブドウの芳醇な香りをテーマにした香水があってもおかしくないのですが、なぜかワインをテーマにした香水がほとんどないのが実情です。

ワインは古くから特別な“飲み物”として浸透しているので、神聖な印象があるのかもしれません。そしてブドウから香料を採ることはとても難しいと言われています。

ところがそんなフランスで大変珍しい、赤ワインを原料とした香水を発見しました。

「Bloody Wood(ブラッディ・ウッド)」
/LIQUIDES IMAGINAIRES (リキッドゥ・イマジネール)

『LIQUIDES IMAGINAIRES (リキッドゥ・イマジネール)』は、2012年にフランスで誕生した香水ブランドです。

創設者はPHILIPPE DI MEO(フィリップ・ディ・メオ)とDAVID FROSSARD(ダヴィッド・フロッサール)のお二人。


出典 instagram.com/p/Bjemw-cnYmM/?igshid=boqaqd5rntx1

『LIQUIDES IMAGINAIRES (リキッドゥ・イマジネール)』が他の香水ブランドとちょっと違うところは、文化的遺産や歴史上の登場人物にインスピレーションを受けた香水を発表していることです。

また神聖でミステリアスな香りが多いのも特徴です。なかにはフランス発の小説「美女と野獣」をテーマにした香水も。

知的な雰囲気が漂う、洗練された大人向けの香水ブランドです。
 

「Bloody Wood(ブラッディ・ウッド)」赤ワインがテーマで、鮮血のように真っ赤な色が特徴の香水です!このように真っ赤な香水は見かけたことがありません。香料もオリジナル性の高いものです。

トップノート:ワインライ(ワインのかす)、ローズ、メタルノート
ミドルノート:ラズベリー、チェリー、スミレ、赤ワイン
ラストノート:オーク、サンダルウッド、アカシア

「Bloody Wood(ブラッディ・ウッド)」は、ただ赤ワインをイメージしているだけではありません。この一つの香水の中に「ワインと中世史」のストーリーを表現しているところがユニークなんです。ワインは古代から「知性と官能」のどちらも掻き立てるものでした。

トップノートではツンとしていて冷涼感のある鋭さが目立ちます。人間のなかにある「知性と官能」の葛藤を、中世ヨーロッパの戦争で使われていた「血の付いた鋭い剣」に見立てたそうです。

そしてミドルノートでは赤ワインの香りを血液に見立てています。最終的にはワインの樽を思わせるオーク、サンダルウッドの香りがぬくもりを感じさせてくれます。

“ワインと血”、というコンセプトにドキッとしてしまいそうですが、実はかなり落ち着いていてエレガントな香りです。

赤ワインの香りもあるのでしょうか、少し生々しさもあります。30代から50代の落ち着いた雰囲気の方に合いそうです。

ちなみに創設者のお二人は日本食の大ファンなんだそうです!日本ではリュクスなレストランで強い香水はマナー違反になってしまいますよね。

「Bloody Wood(ブラッディ・ウッド)」は、例えばワインバーなど、お食事以外の夜のお出かけにぴったりな香りです。

これからはボジョレー・ヌーヴォーの季節でもあります。ワイン通の方が多い日本でぜひおすすめしたい香水の一つです。

[3]自宅で過ごす時間もロマンチックな香りで包まれよう

フランスは秋から冬にかけての期間がとても長く、特に北部に位置するパリは9月~3月頃まで続きます。日本は秋と言えば空気が澄んでいて気持ちの良い快晴が続きますが、反対にパリの秋は曇天で降水量も多いんです。

私がパリに住んでいて一番恋しく思うのが、「日本の秋の晴れた空!」。ということで、こちらでは天候が悪い日は自宅に滞在する時間が長くなります。そして周囲のフランス人たちも、仕事を終えた後は寄り道せず自宅に直行します。

ただ悪天候をプラスに考えると、その分自宅でゆっくりと過ごすことができて、読書や絵画、音楽鑑賞など文化的な趣味を存分に楽しめる季節でもあります。

フランスの香水には秋や冬に似合う濃厚なものが非常に多く見られます。個人的な意見ですが、天候が関係して思考が「内向きになる」季節に、複雑で濃厚な香りが創造されるのかもしれませんね。

そして自宅は周りの人の目を気にすることなく思いっきり香りを楽しめる空間でもあります♡おひとりの時も大切な人を招待する時も、自宅でこそロマンチックな香りに包まれましょう。

「ÉTOILE D’UNE NUIT(エトワール・デューン・ニュイ)」
/ANNICK GOUTAL(アニックグタール)

『ANNICK GOUTAL(アニックグタール)』の2019年新作、「ÉTOILE D’UNE NUIT(エトワール・デューン・ニュイ)」“一夜の星”を意味します。香調はラズベリー、ローズ、アイリスパウダーとなっています。

アイリスの優しくパウダリーな香りとエレガントなローズの香りは、ほんのりと香る化粧粉のようです。そして肌なじみがよく、まるでセカンドスキンのような甘く温かい香りでもあります。

強すぎないので、お風呂上りにそっとつけたくなるような逸品です。

お気に入りのパウダーをブラシに取り肌を撫ぜ、サテンのスカーフを首元に巻き、星の綺麗な夜に出かける…。そんな柔らかでエレガントな、女性のためのフレグランスです。

アニックグタールは女性ならではの感性がギュッと詰まっていて、優しい香りと可愛いボトルデザインで有名ですよね。

「ÉTOILE D’UNE NUIT(エトワール・デューン・ニュイ)」は男性受けしそうなロマンチックな香りはもちろんのこと、ボトル付属のスカーフのデザインがとても素敵で、お部屋に飾りたくなる香水です。

 

「UN BOIS VANILLE(アン・ボワ・バニーユ) 」
/SERGE LUTENS(セルジュルタンス)

「UN BOIS VANILLE(アン・ボワ・バニーユ) 」“バニラの木”を意味します。

香調はメキシカンブラックバニラ、サンダルウッド、ムスク、ココナッツ、トンカビーンズです。ティーンが好むバニラではなく、まさに大人向けのほろ苦いバニラの香りがします。

「アステカ帝国の財宝のひとつ、バニラ。
その純粋にして高貴、そして甘美なバニラの芳香は、
ひとを魅了し、とりこにし、永遠に自分だけのものにしたいという欲望をかきたてる。
その宝物のようなバニラの魅力を、白檀の箱にそっと詰めて。」

引用:セルジュルタンス公式ホームページより

 

フランス人が老若男女問わず好きな香りを一つあげるとしたら、“バニラ”で間違いありません。シャンプーでもボディクリームでも大人気の香りです。

セルジュルタンスの「UN BOIS VANILLE(アン・ボワ・バニーユ) 」はまさにフランス人が好む香りなんです!

肌寒くて乾燥する季節、バニラの香りは心がポカポカしますよね。「UN BOIS VANILLE(アン・ボワ・バニーユ) 」はトップノートから濃厚なデザートのような香りがするのですが、サンダルウッドの香りが効いていて落ち着きがあります。

また持続時間がとても長いのが特徴でもあります。気温と体温が低くなる晩秋にぴったりの香りで、柔らかいブランケットに包まれながら楽しみたい香水です。オンでつける香水というより、オフでつけたい代表的な香りの一つでしょう。

 

[4]練り香水でオフィスでも好感度アップ

暑い夏が過ぎて、秋は仕事にも精が出ますよね。新しいプロジェクトや新しい人事などで、人と出会う機会も多くなると思います。

ところがビジネスシーンでは強い香りが苦手な方も少なくありません。多くの人と接触するこれからの季節に重宝する、おすすめのソリッドパフューム(練り香水)をご紹介します!

「Philosykos(フィロシコス)」ソリッドパフューム
/diptyque(ディプティック)

『diptyque(ディプティック)』はフランス発の高級フレグランスメゾンで、その洗練されたデザインと香りでパリジェンヌたちにも大人気のブランドです。

この「Philosykos(フィロシコス)」の香調は、イチジクの葉、イチジクの樹液、イチジクの木。

イチジクと聞くと “甘い香り”を連想しますが、ディプティックの「Philosykos(フィロシコス)」はウッディの知的な香りも加わっていて、聡明な印象を受けます。

春夏向けのフレッシュさはないので、秋の装いにもマッチすることでしょう。オールブラックで重みのあるパッケージもポイントです♪

ソリッドパフューム(練り香水)とは、通常の香水と同様の香料をオイルやワックスに練り込んで固めたもの。

液体の香水はアルコールに香料を溶かし込んで作っているため、製法からまったく異なるものです。香りが強すぎないので“トゥマッチ”になることがなく、失敗しらずの優れモノです。

メリット :アルコールフリーなので肌の弱い方にも安心で、持ち運びがしやすい
デメリット:持続時間が短い、湿度に弱い

体のなかでも特に熱を発するポイントが手首、耳の後ろ、肘の内側です。拡散性を高めたい方はそれらの部位に、さらに淡く香らせたい方はそのほかの部位につけると良いでしょう。

ほんのり香り、携帯サイズで持ち運びにも便利な練り香水は、ビジネスシーンにぴったりです!

私は髪をセットする時にバームとして使うときがあります♪ 相槌を打つときにフワッと香るので、一石二鳥で楽しめます。(因みにフランス人には練り香水が弱すぎるのか、あまり人気がないようですが…。)

 

[5]フランスは秋冬向けの香りの宝庫!

フランス・パリは秋の訪れが早く、香りの衣替えも日本より早くやってきます。これからは夏に遠慮しがちだった香りを存分に楽しめることでしょう。

そして肌寒くなる季節は香水がよく似合います。

イベント盛りだくさんの秋。お気に入りの香りとともに素敵な秋をお過ごしください♡


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