泣けるほど美しい『Serge Lutens(セルジュ・ルタンス)』の金木犀(キンモクセイ)の香り

金木犀(キンモクセイ)が香る秋がやってきました!私が暮らしているフランスでは金木犀は香水でしか香ることができないのですが、日本への想いを込めたフレグランスが『Serge Lutens(セルジュ・ルタンス)』にありました。ノスタルジックな気分にさせてくれる、その美しい香りをご紹介します♪

2020年10月02日更新

香水/フレグランス

大内 聖子   FELICE ライター

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[1]日本愛に満ちた人間国宝、Serge Lutens(セルジュ・ルタンス)

セルジュルタンス

出典 sergelutens.jp/about_sergelutens/

『Serge Lutens(セルジュ・ルタンス)』は、今でこそニッチ・フレグランスブランドとして有名ですが、創業者であるSerge Lutens(セルジュ・ルタンスは実はもともと香水には関心がなかったそうです。

「VOGUE FRANCE(ヴォーグ・フランス)」のへアメイクアップアーティストを経て、ディオールや資生堂のアートディレクターを務めた、美容界の神様的な存在でした。

そんなSerge Lutens(セルジュ・ルタンス)が香りに興味を持ったきっかけは、仕事で訪れたモロッコです。

モロッコのモスクから漂うオリエンタルな香りに衝撃を受け、フレグランスをクリエーションすることを決意。

ほどなくして日本を訪れたSerge Lutens(セルジュ・ルタンス)は、またしても衝撃を受けることになります。

日本の浮世絵を溺愛し、日本の文化に感銘を受けた彼は、1992年に「レ・サロン・デュ・パレロワイヤル・シセイドー」(現在の『Serge Lutens(セルジュ・ルタンス)』本店)をオープン。

もう一人『Serge Lutens(セルジュ・ルタンス)』を語る上で重要な人物が存在します。

同年1992年に専属調香師として就任したChristopher Sheldrake(クリストファー・シェルドレイク)です。

彼もまた日本で仕事をし、Serge Lutens(セルジュ・ルタンス)とは日本で初めて出会ったそうです!

日本愛に満ちた二人。

そんな二人がタッグを組んで生み出した、金木犀が香る美しいフレグランスを発見したのでご紹介しましょう。

[2]郷愁の香り「Nuit de cellophane(ニュイ・ドゥ・セロファン)」

気になったのはその名前から

フランス滞在歴が長い私ですが、個人的に『Serge Lutens(セルジュ・ルタンス)』の香りが一番フランスらしいと思っています。

その哲学的なコンセプトに加えて、買い手にあまり媚びを売っていないところ。香りに意味を求めてなさそうな印象も受けます。

生粋のフランス人アーティスト!というイメージで、香水業界からも一目置かれるブランドであることには間違いないです。

実は前々から、名前だけで気になっていた「Nuit de cellophane(ニュイ・ドゥ・セロファン)」

「セロファンの夜」という意味になりますが、どんな香りなのか見当もつきません。

フランス人である夫に聞くも、「『Serge Lutens(セルジュ・ルタンス)』は謎」と言っていました。

うっとりするようなストーリーが隠れていた

「Nuit de cellophane(ニュイ・ドゥ・セロファン)」の香りを実際にブティックで体験してみました。

まずは公式ホームページに掲載されている香りのストーリーがこちら。

[セロファンの夜]

夜がひろがる。 星のまたたきと地面の間は、
甘く透明なかぐわしさで満ちている。
美しい夜行性の虫たちがリクエストする。
「もしもしお嬢さん。
このあたりの空気をぜんぶ包んでいただけますか?」
「贈り物ですか?」
「ええ、あなたへの」

引用:『Serge Lutens』公式ホームページ

 

「Nuit de cellophane(ニュイ・ドゥ・セロファン)」は、Serge Lutens(セルジュ・ルタンス)自身の特別な感情を詰め込んだオードパルファンです。

猛暑のマラケシュから自宅に戻り庭で休んでいた時に、日が暮れ始め、満天の星空と虫の鳴き声に癒された彼は、「この瞬間の空気や風情をすべてラッピングしてプレゼントしたい」…そんな感情から生まれた香りだそうです。

これだけでもう素敵です!

ノスタルジックに浸れる香り

Nuit de cellophane

■トップノート:グリーンノート、マンダリンオレンジ、オスマンサス(金木犀)
■ミドルノート:オスマンサス(金木犀)、ジャスミン、リリー、カーネーション
■ラストノート:ハチミツ、ムスク、アーモンド、ウッディノート

■香調:フルーティ・フローラル

■調香師:Christopher Sheldrake(クリストファー・シェルドレイク)

夜向けのアラブ風な香りがするのかな?と思いましたが、実際に試香してみるとそのライトさに驚きました。

トップノートからラストノートの変化は特にありません。

フルーティ・フローラルの香調は華やかで、はつらつとした印象のものが多いのですが、「Nuit de cellophane(ニュイ・ドゥ・セロファン)」は静かで透明感があって、粋です。

肌の上よりはムエット(試香紙)で香った方が、金木犀をより感じ取れました。

(『Serge Lutens(セルジュ・ルタンス)』のムエット(試香紙)はなんと折り紙風!)

その瞬間、私は故郷の日本を思い出さずにはいられませんでした。

日本の秋の風物詩とも言える金木犀ですが、私はその香りを嗅ぐといつも“プルースト効果”が発動します。

(※「プルースト効果」…特定の香りを嗅ぐと、脳のある部分が刺激されてその香りを嗅いだときの体験や記憶が蘇ってくる現象)

「Nuit de cellophane(ニュイ・ドゥ・セロファン)」の香りに毒のような主張はなく、控えめで思慮深くて、どこか周りの人に寄り添うような優しさがあります。

まるで日本文化のようです。そして、嗅覚よりも先に心に響きました。

甘味のある香料が使われているのに、質感はもたつかずあくまでサッパリ。

事実、Serge Lutens(セルジュ・ルタンス)は完成した「Nuit de cellophane(ニュイ・ドゥ・セロファン)」の香りを嗅いで、“日本の京都で過ごした夜”を思い出したそうですよ。

[3]似合うのはこんなシーン

『Serge Lutens(セルジュ・ルタンス)』は複雑な香りばかりで、“香り上級者”が好むフレグランス、のようなイメージがありますが、「Nuit de cellophane(ニュイ・ドゥ・セロファン)」に限っては誰からも愛される香りだと思います。

香害とは無縁の優しい香りなので、一年を通して使用できるフレグランスですが、「Nuit de cellophane(ニュイ・ドゥ・セロファン)」の醍醐味を味わうにはやはり、金木犀香る秋の夜が特におすすめ!

夜とは言っても色気をともなうシーンではありません。

日常の忙しさから解放されたリラックスタイムに、読書でもしながらこの香りを楽しみたくなるでしょう♪ そこに月の明かりがあれば最高ですね。

年齢も性別も関係なく、静けさのあるフローラル香水をまといたい方にぴったりな香りです。

[4]日本と相性の良い『Serge Lutens(セルジュ・ルタンス)』

『Serge Lutens(セルジュ・ルタンス)』は本当に日本への愛が強いと思いました。

専属調香師のChristopher Sheldrake(クリストファー・シェルドレイク)は、詩のような香りをSerge Lutens(セルジュ・ルタンス)と共に創っていたそうです。

今回の「Nuit de cellophane(ニュイ・ドゥ・セロファン)」もそうですが、実は奥深さを追求する日本文化と相性が良いのでは?と感じます。

名前の謎から「どんな匂いがするのだろう?」と好奇心を持って、香りを紐解いていくことは私たち日本人に向いているかもしれません。

日本を愛する『Serge Lutens(セルジュ・ルタンス)』。日本のファンが増えれば、相思相愛となって彼も心から喜びを感じるはずです♡

『Serge Lutens(セルジュ・ルタンス)』のファーストフレグランスとしてもおすすめなこの香りを、ぜひ試してみてくださいね。

 


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