櫛(くし)は生涯の伴侶?一生使えるつげ櫛を使ってみよう!
みなさんはヘアケアにどんなこだわりがありますか?私はつげ櫛でケアをしています。お気に入りのブランド商品を使っている方も多いと思いますが、つげ櫛は古くから日本人の髪を美しく保ってきた伝統品。おうちケアとしてぜひ試してみて。
2021年05月10日更新
[1]つげ櫛の特徴
つげ櫛ってなに?
つげ(柘植)櫛とは「ホンツゲ」という木材で作られた櫛(くし)です。
現在普段使いをしている人は少なくなっているようですが、古典芸能の世界ではまだまだ現役!用途に応じて様々な形があり、日本髪を結うときに欠かせない櫛です。
大相撲の力士さんや京都の舞妓さんの日本髪を結うときにも使われている伝統品です。
ホンツゲは、しなやかな木材で髪を結うときに櫛にかかる負荷にも柔軟に耐えてくれます。また油分を吸収しやすく、使えば使うほどに髪を優しくまとめてくれます。
大切に使えば一生、あるいはそれ以上(母から娘へ、娘から孫へと受け継がれている櫛もあります)使えるため、生涯の伴侶ともいわれている名品です。
つげ櫛の美髪効果
つげ櫛にはうれしい美髪効果が盛りだくさん。毎日のブラッシングをつげ櫛に変えるだけで、日本人ならではのしいツヤ髪を手に入れることができます。
静電気が起きにくい
プラスティック製品や静電気抑制加工の櫛と比べて、つげ櫛は静電気が起きにくいといわれています。
静電気は、髪を絡ませたり、髪の表面を傷つけてしまう原因となるため、静電気が起きにくいつげ櫛は髪をとかすだけで優しくケアしてくれます。
自然なツヤを出せる
つげ櫛は作られる過程で椿油に漬け込みます。椿油には頭皮と髪に栄養分と潤いを与えてくれるため、自然で健康的なツヤ髪を手に入れることができます。
また、使うたびに自分の髪の油分を吸収してくれるため、使えば使うほど自分の髪にあった艶とまとまりが生まれます。広がりやパサつきに悩んでいる人には特におすすめです。
頭皮に優しい
つげ櫛は、職人さんがひとつひとつ丁寧に櫛目を整えて作っています。頭皮へのあたり、髪へのあたりが優しくなるような伝統の技が生きています。
髪だけでなく頭皮への負荷を減らすことで、フケやかゆみを予防、さらには頭皮の血行を良くすることで、抜け毛やくせ毛の原因を根本から改善してくれます。
心を整える
伝統技が生きているつげ櫛は、髪をとかすたびに頭皮へのマッサージ効果があります。
実は人間の頭部は身体の中でも特にむくみや凝りの出やすい部位といわれています。頭が凝り固まるとぼんやりしたり、頭痛の原因になったり、ストレスの原因にもなります。
そのため、日常的に使う櫛で頭皮マッサージができれば、頭がクリアになり、ストレス軽減につながります。髪へのケアをしながら、心も整えてくれるのはつげ櫛ならでは。
[2]つげ櫛を使ったヘアケア
毎日朝晩に髪をとかす
まずは基本の方法から。毎日使う櫛をつげ櫛に変えるだけ!
毛先からゆっくりとブラッシングしていきましょう。寝ぐせのある朝は、ブラシで整えてからつげ櫛を入れていくと、髪と櫛へのダメージが少なくなります。
つげ櫛を使うだけで、サラサラで艶のある髪になるため、スタイリング剤を使用しなくてもスタイルが決まります。
椿油とともに使う
パサつきがひどいときは、櫛入れの前に、手櫛で髪全体へ椿油を馴染ませます。椿油は髪に栄養分と潤いを与えてくれるので、美しい艶髪を作ってくれます。
つげ櫛と椿油は相性が良く、余分な油分を櫛が吸収してくれたり、櫛のすべりが良くなるため、髪へのダメージが少なくなります。
おでかけ先での乱れにも
コンパクトで持ち運びもしやすいタイプがあります。
外出先で乱れた髪は、静電気や絡まりが起きやすいので、無理やりとかすとダメージにつながります。
そんな時、つげ櫛を使えば、あっという間に艶髪を取り戻すことができます。和柄のかわいらしいケースに入れておでかけに連れて行って♡
[3]一生使うためには?つげ櫛のケアも忘れずに
つげ櫛は丈夫でありながら、きちんとケアをしてあげないとその効果を存分に引き出すことはできません。定期的にお手入れをしてあげましょう。
用意するもの
・つげ櫛
・歯ブラシ 2本
・コットン
・椿油
お手入れ方法
①目に見えるほこりや汚れを、歯ブラシを使って丁寧に落としていきます。
②コットンに椿油を染み込ませ、櫛全体を優しくなでていきます。
③もう一本の歯ブラシに椿油をつけ、櫛の歯の間を磨いていきます。歯と歯の間は汚れがたまりやすいので、丁寧に進めていきましょう。
④櫛の根元に余分な油と汚れが浮いてきたら、コットンでふき取りましょう。
お手入れの目安とポイント
この方法のお手入れを月1度を目安に行いましょう。
お手入れ後は油分が多くなっているので、きちんとふき取らないと髪がべたついてしまいます。余分な油分のふき取りは欠かさず行うことがポイントです。
また、つげ櫛は水に弱いため、濡れた髪やヘアウォーターを使った後には使わないようにしてください。
[4]つげ櫛の選び方
つげ櫛にはたくさんの種類があります。自分の髪にあった櫛を選ぶと、その効果をより実感できます。
つげ櫛を専門に制作している工房(専門店)はいくつかありますが、今回は、つげの名産地である鹿児島県の『薩摩つげ櫛喜多』から、髪の太さや量、ヘアスタイルに応じておすすめの櫛を紹介します。
髪が太く多い人には「荒櫛」
出典 /kushi.jp/
3寸(約9cm)4,840円/税込~5寸(約15cm)16,500円/税込
柔軟性、耐久性に優れた「荒櫛」は、髪が太く、絡まりやすい人、ウェーブのある人におすすめ。櫛目が広いので、寝ぐせがある朝のスタイリングでも使いやすいです。
髪が細く少ない人には「解櫛」
出典 /kushi.jp/
3寸(約9cm)4,840円/税込~5寸(約15cm)16,500円/税込
櫛目が細かい「解櫛」は、髪が細い人、猫毛の人、ストレートヘアの人などにおすすめ。また、毛量が多い人でも、「荒櫛」やブラシでとかした後に解櫛を使用することで、さらさらヘアを手に入れることができます。
ブラシタイプ
出典 /kushi.jp/
3列(約16.5×3.0cm)9,020円/税込~5列(約20.0×4.5cm)16,280円/税込
櫛タイプのほかにブラシタイプを扱っているお店もあります。すでに櫛を持っている人や新しいブラシが欲しい人、毛量が多く絡まりやすい人におすすめ。また、ブラシタイプはどんな人にも使ってもらえるということと、なかなか自分では新調しないものなので、プレゼントにもおすすめです。
[5]伝統のつげ櫛でツヤ髪を手に入れよう!
大切に使えば一生使えるつげ櫛。
昔から美しい日本髪を作ってきた実力はホンモノ!特にこれからの湿気の多い季節にはその実力が最も発揮されるとき。
ツヤとまとまりのある髪を作るのには欠かせないアイテムです。
海外製品やたくさんの優れたヘアケアグッズが手に入る時代ですが、何百年と受け継がれてきた伝統の技を、ぜひあなたの髪で実感してみてください。
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