【医師監修】デリケートゾーンが臭い!ニオイが気になるときの原因・対処法
デリケートゾーンは蒸れやすくニオイがち。特に生理時などは周囲にニオイが気づかれてしまうのでは?と心配になる女性も多いのではないでしょうか。あまりにもニオイが強い場合は、なんらかの病気が原因となっている可能性もあります。自分のデリケートゾーンが臭い原因を把握し、適切な対処を行いましょう。
2020年04月17日更新
記事の目次
[1]女性なら気になるデリケートゾーンのニオイ
女性であれば、いつでもいい香りがするイメージを持たれたいもの。強くにおうこともあるデリケートゾーンのニオイは、やっぱり気になってしまいますよね。
汗のニオイとは違う、独特なニオイを放つことがあるデリケートゾーン。デリケートゾーンが臭いと、スカートやショートパンツをはくのも躊躇してしまいますよね。
それどころか、彼氏や旦那との関係に影響をきたしてしまう可能性も…。
ニオイが気になったら、その原因を見極めて早めに対処しましょう。入浴時にしっかり洗っても強いニオイがとれない場合は、すそわきがや婦人科系の病気の可能性もあります。
他の人のニオイを嗅いで比較することでもできないため、自分だけこんなに臭いのでは?と不安になる人もいるかもしれません。実際どれくらいの女性が悩んでいるのでしょう。
デリケートゾーンのニオイは女性特有の悩み?
ユニチャームが行ったデリケートゾーンに関するアンケート調査によると、デリケートゾーンに関してなんらかの悩みをもったことがある女性は92%。なんと、10人中9人は気にしたことがあるという計算になります。
この中のすべてがニオイに関する悩みとは限りませんが、やはりデリケートゾーンは女性にとって悩みの種となっているようです。特にニオイ問題は、デリケートゾーンのかゆみや色といった悩みと違い周囲に気づかれる可能性もあるため、より気になってしまうでしょう。
デリケートゾーンのニオイは生理やおりものといった女性特有の現象が原因となっていることもあり、男性は「異様なニオイ」と感じることも。女性にとっては「生理だから多少仕方ない」と思う程度のニオイでも、男性は不快に感じている可能性もあるのです。
➡参考元:ユニチャーム/アンケート調査
[2]デリケートゾーンが臭い原因は?
デリケートゾーンが臭くなる原因として、もちろんきちんと洗えていないという可能性もありますが、中には毎日洗っているにも関わらずニオイが出てしまうケースもあります。デリケートゾーンのニオイの主な原因を紹介します。
雑菌の繁殖
常に下着に覆われているデリケートゾーンは、汗や垢が溜まりやすい場所。そこに雑菌が繁殖すると、雑菌が生み出す老廃物によってニオイが発生します。雑菌が繁殖しやすい環境は「高温・多湿」。蒸れやすいデリケートゾーンはまさに雑菌の温床になりやすい部分と言えます。
雑菌は、汗や垢のほか、デリケートゾーンや下着に付着した尿や経血、おりものなどを栄養源として繁殖していきます。デリケートゾーンの高温・多湿は避けることが難しいため、この雑菌の栄養源を減らし雑菌を繁殖させないことがニオイ予防のポイントになります。
すそわきが
俗にいう『すそわきが』とは、いわゆる陰部のわきがのこと。一般的に知られるわきがは、わきの下のアポクリン汗腺から分泌される汗が細菌に分解されて、わきからツンとした独特のニオイが発生します。
汗腺には、エクリン汗腺とアポクリン汗腺がありますが、わきが体質の人は強いニオイの原因となるアポクリン汗腺の数が多いため、ニオイが強烈になりやすいのです。
このアポクリン汗腺はわきの下だけでなく外陰部にも存在します。そのため、わきが体質の人はすそわきがも併発しやすくなります。すそわきがのニオイ対策としては、トイレなどで陰部の汗をこまめに拭くようにする、ビデでデリケートゾーン付近に付着した汗や汚れをこまめに落とす、などの方法があります。
また、動物性タンパク質はアポクリン汗腺を刺激して分泌させやすくするため、お肉や乳製品などの動物性タンパク質をとり過ぎないことも大切です。セルフケアでもニオイが改善されない場合、クリニックでの治療を受けるという方法もあります。
すそわきがの主な治療法としては、高周波を照射して、その熱エネルギーで汗腺を熱変性させる「ビューホット法」、デリケートゾーン部分の発汗を抑制する「ボトックス注射」、毛穴ひとつひとつに針で電流を流してアポクリン汗腺を凝固させる「電気凝固法」などがあります。
どの治療法が適しているかは、ニオイの程度や治療の目標(すそわきがの完治を目指すか、ニオイの軽減を目指すか)によっても変わってきます。医師とよく相談し決めていきます。
婦人科系の病気
婦人科系の病気が原因となってデリケートゾーンのニオイが発生することもあります。病気の場合は、ニオイ以外になんらかの症状が併発していることもあるので、もしや…と思ったら一度婦人科を受診してみましょう。ニオイの原因となりえる病気には以下のものがあります。
■子宮頸がん
子宮の入り口の子宮頸部に発生したがんです。子宮頸がんの初期はほとんど症状がありません。しかし、進行すると不正出血、下腹部痛の痛みや性交痛、おりもののニオイの変化などの症状が見られるようになります。腐敗した血や壊死したがん細胞がおりものに混ざり、悪臭を放つことがあります。
もちろん何も症状がないこともあるので、年に1回は子宮頸がん検診を受けましょう。
■子宮内膜炎
子宮の内側にある子宮内膜に炎症が起きるのが子宮内膜炎です。通常、子宮内膜は生理の旅に剥がれ落ちて経血と一緒に体外に排出されるため炎症が起きることはないのですが、まれに細菌に感染して炎症を起こすことがあります。
子宮内膜炎の主な症状には発熱、下腹部痛や不正出血、排尿痛などがあり、場合により悪臭のあるおりものが出ることもあります。
■細菌性膣炎
膣内で細菌が異常に増殖し炎症が起きるのが細菌性膣炎です。性感染症とは違い、一般的な細菌の増殖により起こるもので、免疫力が低下しているときなどに起こりやすいです。細菌性膣炎では、おりものの量が増加し生臭い嫌なニオイが出ることがあります。
■トリコモナス膣炎
トリコモナス原虫に感染することで起きます。感染経路は性行為のほか、岩盤浴やトイレの便器、浴槽を介して感染する場合もあります。泡が混ざったようなおりものやかゆみ、陰部の強いニオイが特徴です。
■性器クラミジア感染症
性感染症のひとつで、クラミジア・トラコマティスという微生物に感染することで発症します。膣内に侵入したクラミジアが子宮頸管粘膜に感染し子宮頸管炎になると、黄色くニオイが強いおりものが出ることがあります。ただ、すべてのケースで症状が出るわけでなく、自覚症状を感じないこともあります。
女性ホルモンの影響
生理前になると女性ホルモンのバランスが大きく変化し、卵胞ホルモン(エストロゲン)の量が減ります。この卵胞ホルモンには皮脂分泌を抑える作用があるため、卵胞ホルモンが減ることで皮脂の分泌量が増加します。皮脂が大量に分泌されると、皮脂腺が塞がれて酸化し、ニオイが出ることがあります。また、生理の直前はおりものが酸性になるため、酸っぱいニオイがすることもあります。
また、膣内は酸性に保たれていてそれにより細菌の侵入も抑えられているのですが、この酸性は女性ホルモンのバランスがうまくとれていることによって維持されています。ホルモンバランスが崩れると、酸性の値のバランスも崩れる、菌が繁殖しやすくなり、ニオイも出やすくなるのです。もちろん、閉経前の女性でもストレスなどでホルモンバランスが崩れればこの現象は起こり得ます。
[3] ニオイ対策の基本!デリケートゾーンの正しい洗い方
尿や経血が付着するデリケートゾーンは、ニオイが発生しやすい場所。ニオイの原因にはさまざまありますが、少なくても清潔にしていなければ必ずニオイが出てしまいます。そんなデリケートゾーンですが、意外と「正しい洗い方」というのを知らない人も多いのでは。
他人には聞けない、デリケートゾーンの洗い方について紹介します。
意外としっかり洗えていないデリケートゾーン
洗顔の正しいやり方などはよく雑誌で紹介されますが、デリケートゾーンとなるとなかなか正しい洗い方を知る機会がありません。
普段、表面だけなんとなくさっとこすって流す…といったような洗い方をしていませんか。デリケートゾーンは、尿や経血、おりもの、トイレットペーパーなどがこびりつくなど汚れやすいため、きちんと洗えていないとニオイが出てしまいます。また、構造が複雑なため、自分ではしっかり洗ったつもりでも洗い残していることも多いのです。
デリケートゾーンの正しい洗い方
デリケートゾーンに限らず、正しく洗って清潔を保つことはニオイ対策の基本です。デリケートゾーンの正しい洗い方も知っておきましょう。
- なるべくシャワーのみで洗う。気になるようならデリケートゾーン専用の石鹸でよく泡立てる
- 外陰部を前側から後ろにむかってこすりすぎないよう気をつけながら指の腹でやさしく洗う、大陰唇と小陰唇の間は汚れが溜まりやすいので特に丁寧に洗う
- 肛門は最後に洗う
- 最後にシャワーでしっかりと洗い流す
デリケートゾーンを洗う際の注意点
■指の腹でやさしく洗う
デリケートゾーンは皮膚が薄く傷つきやすいため、やさしく洗うことが大切です。ボディソープや石鹸をしっかり泡立てることで肌への刺激も抑えられます。爪をたてないように気をつけ、指の腹でやさしく洗ってください。
■デリケートゾーンは洗い過ぎないことも大切
デリケートゾーンのニオイが気になると一日に何度も洗いたくなってしまうかもしれません。しかし、デリケートゾーンの洗い過ぎには注意が必要。デリケートゾーンには、ニオイを発生させる菌だけでなく、菌の異常繁殖を防ぐ善玉菌も存在します。デリケートゾーンを洗い過ぎてしまうと、この善玉菌まで排除されてしまい、かえってニオイが強くなってしまうこともあります。
■膣内は石鹸で洗わない
膣の中は常に弱酸性を保っており、病原菌や雑菌が入り込むのを防いでいます。これは、「膣の自浄作用」と呼ばれます。アルカリ性の石鹸で頻繁に膣の中を洗うとこの自浄作用が損なわれ、膣炎などを招いてしまうことがあります。なるべくシャワーのみで洗うようにして、どうしても気になる場合は外陰部(膣の外側のみ)デリケートゾーン専用の石けんをつかいましょう。
[4]その他のデリケートゾーンのニオイ対策
デリケートゾーンのニオイを予防するには、正しく洗うこと以外にどのような方法があるのでしょうか。今日からでも始められるデリケートゾーンのニオイ対策を紹介します。
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通気性のよい下着をつける
湿りやすく、常に下着に覆われているデリケートゾーンは蒸れやすくなっています。蒸れると雑菌が繁殖しやすくなり、ニオイも発生しやすくなります。少しでも蒸れを和らげられるよう、通気性のよい下着を身に着けましょう。シルクや綿の素材のものがおすすめです。
厚手のボトムスや重ね着を避ける
下着を通気性のよいものにしても、ボトムスの通気性が悪ければ、やはり蒸れてしまいます。ボトムスの選び方も工夫しましょう。タイツとジーパンを重ねてはくなどの重ね着は蒸れやすいので要注意。寒い冬などはつい重ね着したくなりますが、汗も出やすくなるためできるだけ避けるようにしましょう。
オフィスファッションとしてよくとり入れられる体にフィットしたパンツなども、実は蒸れを増長させています。
陰毛の処理をする
デリケートゾーンを保護する役割をもっている陰毛ですが、ニオイの原因になることもあります。陰毛が多いと蒸れやすいほか、陰毛に尿やおりものがこびりつくことでニオイが出てしまうこともあります。ニオイが気になるのであれば、思い切って陰毛を処理してしまうのも対策のひとつです。
おりものシートを利用する
下着に付着したおりものに雑菌が繁殖してニオイの原因となることもあります。それでなくても生理前などはおりもの自体のニオイが強くなることもあるため、おりものが多い日はこまめに下着をとりかえたいところです。
ただ、勤務中や外出先では下着をとりかえるのは難しいので、おりものシートを利用するのがおすすめです。おりものシートの中には消臭機能がついているものもあるので、特にニオイが気になるようであればそちらを使ってみてもよいでしょう。
食事内容の見直し
すそわきがが原因でデリケートゾーンがにおってしまっている場合は、食事の見直しも重要な対策のひとつになります。肉類や乳製品などの動物性タンパク質はアポクリン汗腺を活性化させるため、すそわきがのニオイの原因となるアポクリン汗の分泌量が増えてしまうとされています。
すそわきがが疑われるようであれば、肉類や乳製品を多くとりすぎないようにし、野菜を多くとるような食事を心がけましょう。
また、わきが体質の人に限らず、ニオイが強い食べ物を食べたときにも陰部がにおうことがあります。デリケートゾーンのニオイが気になったら、ニンニクやニラなどのニオイが強い食べ物は控えるようにしてみてもよいでしょう。
石鹸やクリームなどのアイテムを利用する
デリケートゾーンのニオイケア用の石鹸やクリームが販売されているので、こうしたアイテムを利用するのもひとつの方法です。デリケートゾーン専用のアイテムは、体臭対策アイテムに比べて肌にやさしく低刺激なのが特徴です。ニオイ対策用のものでは、インドネシアの民間伝承薬である「ジャムウ」を配合しているものが多く見られます。
外陰部用のウェットシートを利用する
外出先のトイレなどで用を足した後、ウォシュレットを使えない、使いづらいときにはウェットシートがお勧めです。外陰部、お尻用のシートが市販でありますので、利用すると尿のふきのこしや経血をさっぱりさせることができます。
原因となっている病気の治療
子宮の病気や性感染症など、なんらかの病気がニオイの原因となっている場合は、丁寧に洗ったり服装や食事を工夫したりするだけでは解決されません。根源となっている病気の治療が必要になります。上記のような対策を行っても強くにおう場合は病気が原因の可能性もあるため、婦人科を受診して相談しましょう。
[5]デリケートゾーンのニオイケアは身だしなみのひとつ
デリケートゾーンのニオイの原因、対策を紹介してきましたが、いかがでしたか。自分のニオイの原因がなんとなく把握できた方もいるのではないでしょうか。
デリケートゾーンには尿や経血が付着するものですし、ある程度におうのは仕方ない、と思ってしまいますよね。ですが、ニオイを意識することで自分の身体を知り、もしかしたら病気を発見するきっかけになるかもしれません。ニオイケアも身だしなみのひとつと考え、適切なケアを行いましょう。