ベンゾイン(安息香)はどんな香り?効果・効能や精油の使い方、おすすめ香水7選
バニラのような甘い香りのベンゾイン。別名「安息香」と呼ばれ、リラックス効果に優れていると言われています。香水やエッセンシャルオイルに配合されています。今回はベンゾインの香りの特徴や精油の使い方をご紹介!ベンゾインをブレンドした香水もご紹介します。
2017年11月07日更新
記事の目次
[1]ベンゾイン(安息香)を知ろう!
ベンゾイン(安息香)はどんな植物?
エゴノキ科に属するベンゾインはジャワやスマトラ、タイを中心とする東南アジアに多く生息する熱帯の樹木で、20mほどまでに成長し、硬い殻をもつ果実を実らせます。
植林後7年後に樹液が抽出できると言われており、この樹木の樹皮に切り込みを入れ、にじみ出た樹液を採取します。
その樹液が固形化すると灰褐色の樹脂となり、その樹脂から溶剤抽出法でエッセンシャルオイル(精油)を抽出します。
このベンゾインは古代エジプトの時代から香料として使われていたようです。
また、邪気を払う宗教的儀式においても薫香として用いられていたという、長い歴史をもつ香りのようです。
ベンゾイン(安息香)の香りの特徴は?
ベンゾインの香りはバニラのようなまろやかな甘さが特徴です。樹脂系の香りなので、古くから香木として宗教的儀式に用いられてきました。
特に、不安や孤独感を癒し、心の中を温め、安らぎを与える効果が高いとして注目されてきたようです。
また、ベンゾインを含む樹脂系の多くはベース(ラスト)ノートの香りとして香水などに配合されます。
ベンゾインは特に粘性が強く、揮発速度も遅く、6時間以上経過しても香りが持続するのです。
このことから、ベンゾインのブレンドオイルや香水などが作られるときには、揮発速度の速いトップノートやミドルノートの精油、香料成分と組み合わされることが多くなります。
ベンゾイン(安息香)の効果・効能
緊張、不安、孤独感、喪失感などを和らげて心を穏やかに落ち着かせる働きがあります。
心を鎮め、集中させる香りなので瞑想時にもピッタリの香りです。特に気分の落ち込みが激しいときなどは、ベンゾインの精油を使ったアロマバスやアロママッサージによって幸福感をよみがえらせると効果的です。
身体への効果効能としては、喉の痛みを和らげ、呼吸器系の不調を整える効果も期待できます。
アロマディフューザーなどを利用して蒸気を吸入するという使い方がオススメです。
また、喘息など気管支の炎症に対しては、キャリアオイルで希釈したものを背中や胸に塗布するのも良いでしょう。
さらに肌への効能として、あかぎれやひび割れなどの乾燥による傷を和らげる効果もあります。
キャリアオイルなどと合わせ十分薄めた上でマッサージするのがおすすめですが、妊娠・授乳中は、使用を控えるなど注意が必要です。
[2]ベンゾイン(安息香)の精油100%活用法
ベンゾイン(安息香)のおすすめの使い方は?
もっとも簡単な使用法はアロマディフューザーで香りを広め芳香浴をすることです。
もっとお手軽に楽しむにはマグカップなどに熱いお湯を注ぎ、精油を1滴垂らすことでも同様の効果があります。
ベンゾインは非常に粘度が高く、気温の低い冬場などは固まってしまうこともあるようなので、希釈されたものを使いましょう。
また、バスタブに1、2滴入れてアロマバスにする方法も手軽にできます。ベンゾインの含まれた蒸気を吸入することで、喉の痛みなどの気管支系の不調を整えてくれる効果も期待できます。
また、肌を保湿し、乾燥によるダメージを和らげる作用もあることから、クリームなどのクラフトに利用することもおすすめです。
市販の無香料クリームや、キャリアオイル(ホホバオイルなど天然植物から抽出された基材となるもの)、蜜蠟などに数滴混ぜてボディクリーム、ハンドクリーム、リップバームを作ることもできます。
妊娠中(特に妊娠初期)の使用は控えましょう。また、樹脂にアレルギーをもっている方は注意が必要です。
ベンゾイン(安息香)のブレンドオイルを作るのに相性のいいエッセンシャルオイルは?
ベンゾインは粘度が高く香りの持続性があることから、他の香りの保留剤としての役割を果たすこともあります。
香りの相性としては、基本的にどんな香りにも合わせやすく、ブレンドしやすい精油の一つと言えるようです。
かなり濃厚な香りになりますが、イランイランやサンダルウッドのオリエンタル系の香りとブレンドするのもおすすめです。
軽い柑橘系を合わせるなら、オレンジやベルガモットと。また、ブラック・ペッパーやコリアンダーなどのスパイス系とも相性がいいようです。
ローズとなら肌の保湿効果と、女性として優雅な気分を堪能できるといった精神的な効果も期待できそうです。
また、呼吸器系の不調にはフランキンセンスやサイプレスとのブレンドがオススメです。
ベンゾイン(安息香)人気アロマオイル3選
・生活の木 アロマオイル ベンゾイン/安息香
溶剤抽出法により抽出された精油はアブソリュートと呼ばれています。熱や水によって成分が取られないためにとても美しい香りが残るのが特徴。
ベンゾインはこの溶剤抽出法により精油にされます。こちらの商品は25%に希釈されたものですが、粘度が高いため、スポイトで取り扱うよう付属されています。
1滴で十分濃厚な甘い香りを放つ商品です。
・ガイア ベンゾイン 精油
品質劣化を防ぐための管理がしっかりされた高品質の精油。鮮度を保つため原料輸送ルートまで配慮しているそうです。
コバルトブルーのシンプルで洗練されたボトルが好評。まずは少量から試してみたい方にもおすすめの5mlサイズです。
[3]ベンゾイン(安息香)配合の人気香水7選
ペンハリガン エレニシア オードパルファム
英国王室御用達のフレグランスブランド『ペンハリガン』の人気香水。ケルト語で”妖精”を表す可憐なネーミングです。
花々を集めてブーケにしたような華やかでフェミニンな香りのベースノートにベンゾインが配合されています。
バニラとともにまろやかな甘い香りが持続し、幸福感をもたらしてくれるようです。
■ヘッド(トップ)ノート:タジェット、バイオレットリーフ、ベルガモット、マンダリン
■ハート(ミドル)ノート:ガーデニア、ローズ、イランイラン、チュベローズ、ジャスミン
■ベース(ラスト)ノート:クローブハット、ベンゾイン、トルーバルサム、ローズウッド、プラムネクター、バニラ
ジバンシイ π パイ
メンズフレグランスにおいて常に人気上位にランクインする香りです。男性の無限の魅力を引き出すテーマで作られ、トップからミドル、ラストへのドラマティックな変化が秀逸です。
■トップノート:バジル、ローズマリー、タラゴン、マンダリン
■ミドル:ネロリ、ゼラニウム、ミュゲ、アニス
■ラストノート:バニラ、トンカ、シダーウッド、ベンゾイン
ラストノートのベンゾインは内面から香り立つような官能的な魅力を表現しています。
ブルガリ マン エクストリーム オードトワレ
男性用フレグランスの中でも高い人気を誇る『ブルガリ』。スパイシーさを控えめにした爽やかさが評判の香りです。
フルーティな瑞々しさから、男性の包容力を感じさせる甘くやわらかな香りへと移ろう変化も魅力的。
■トップ:ピンクグレープフルーツ、ベルガモット、カクタスサップ
■ミドル:ホワイトフリージア、ガテマラ カルダモン、ベジタルアンバー
■ラスト:バルサウッド、ハイチ産ベチバー、ラオス産ベンゾイン
アナスイ フライト オブ ファンシー オードトワレ
美味しそうな果実の爽やかさからフェミニンなフローラル調へ、そして甘く穏やかな香りへと変化していくスウィートなフレグランス。
好感度の高い香りとして人気があります。
■トップノート:タンジェリン、ライチ、ユズ
■ハート(ミドル)ノート:ローズブロッサム、スターマグノリア、パープルレインフリージア
■ベース(ラスト)ノート:ホワイトウッドアコード、スキンムスク、ベンゾイン
プラダ インフュージョン ディリス オードトワレ
シンプルなデザインのボトルが美しい、男性、女性ともに人気のあるフレグランス。繊細でノーブルなイリスの香りが際立つ調香です。
トップはオレンジブロッサム、マンダリン、ネロリ。ミドルはイリス。ラストにはガルバナム、レンティクス、ベンゾイン、インセンス、ベチバー、シダーウッド。
シャネル ココ パルファム
世界中から賞賛を集め、時代を超えて愛されるシャネルの香水「ココ」。ココ・シャネルの愛称を冠した香りとして不動の人気を誇ります。
濃厚な香りが官能とエレガンスを表現しています。
■トップ:マンダリン
■ミドル:ジャスミン、ローズ ドゥ メ、パチュリ、トンカビーンなど
ラストではベンゾインの包み込むような甘さで女性らしさを際立たせます。
ジーニアス ロゼ バイ ヨウイチロウ カキタニ
天才と謳われたフットボーラー、カキタニ・ヨウイチロウ氏をイメージしたというフレグランス。
華やかさと繊細さを巧みに表現した深みのある香りが魅力です。ラストノートではベンゾインの穏やかに包み込む甘さが堪能できます。
■トップノート:マスカット、ココナッツ、ピーチ、アルデヒド、ベルガモットなど。
■ミドルノート:スズラン、チュベローズ、イランイラン、ジャスミン、ヒヤシンス、フリージア、アイリス、バイオレット
■ラストノート:ムスク、アンバー、サンダルウッド、セダーウッド、ベンゾイン
多彩な香りの調和によって美しいフレグランスに仕上がりました。
[4]ベンゾイン(安息香)の甘い香りに包まれて、心穏やかに至福のひとときを!
ベンゾインの香りがもたらす幸福感や穏やかさによって、さまざまな効果が期待できることがわかりました。多くの人に愛用されている人気香水のベースノートとしても使用されているベンゾイン。毎日の生活に取り入れることで、心も身体もより健やかに、ハッピーに過ごせるはずです。
※アロマオイル(精油/エッセンシャルオイル)を使う際の注意点
アロマオイルは医薬品ではないため、「治療」できるものではありません。ここに掲載されている内容は精油の効果効能、心身の不調改善を保証するものではありません。予めご了承ください。症状がひどい場合は医療機関を受診することをおすすめいたします。実際にアロマの香りに癒されるという方はたくさんいます。自分の体の状態や気分に合わせて上手に取り入れてくださいね。
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