香辛料『クミン』の味や香りとは?7大効能や栄養素、使い方について

クミンという香辛料は誰もが1度は使ったり食べたりしたことがあるのではないでしょうか?クミンは古代エジプト時代から使用されてきた歴史あるスパイスになります。そして、カレーのいい香りをつけるために使われているスパイスであるためみんなにとって身近なものになります。今回はそんなクミンについて詳しく紹介していきます。

2017年11月15日更新

香りフードドリンク

亀崎智子 (管理栄養士)

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[1]クミンってどんなもの?

日本人の好きなメニューの上位にも上がるカレーですが、カレー好きな人であれば耳にしたことがあるのではないでしょうか?それがクミンというスパイスになります。クミンはカレーには欠かすことができないガラムマサラを作るために必要なスパイスです。

昔から愛されてきたクミンとは


クミンはカレーをはじめとするインドやエスニック料理に使われている香辛料になります。古代ギリシアやローマから栽培されており、健康にも良いということから薬として使用されていたとも言われています。

また中世のヨーロッパにおいては男女間の貞操を象徴するものとして考えられ、恋人の浮気心を妨げると信じられていたり結婚式の時にはポケットに忍ばせて持っているというような風習があったようです。

クミンとは

クミンはセリ科の一年草のエジプト原産の植物になります。ラテン語のクミヌム(cuminum)が起源と言われており、別名でキュマン、ジーラというように呼ばれています。また日本名では馬芹(ウマゼリ)というようにも呼ばれています。古代エジプトにおいては医学書に載り薬として使用されていたり、他にも美容やまじない、料理などに使用するなどその使い方は多岐にわたっています。それは現在にも繋がっています。

現在は南アジアやヨーロッパなどで栽培されており、最大輸入国はイランになります。インドやヨーロッパにおいては料理に使われるのはもちろんのことですが、薬用としても使用されているとも言われています。料理に使われることが多いものはクミンの種子(クミンシード)を粉末状にしてクミンパウダーとして販売されているものになります。

クミンの特徴とは


クミンは長さが約5~6㎜の長楕円形で、種皮は淡黄色の縦スジがあります。特有の強い芳香や辛味、苦味があるのが特徴になります。香りはガラムマサラに使われていることもあり、ニオイを嗅ぐとカレーをイメージする方が多いです。種子であるクミンシードは見た目がキャラウェイやフェンネルに似ていることもあり混同されることが多いのですが、香りについては全く異なるものになります。

[2]クミンの味ってどんな味?

カレーに使うガラムマサラに入っているスパイスであるクミンなので辛味があると思われがちです。しかし、クミンは苦味が少しあるぐらいで辛味がほぼないです。ほとんど、クミンそのものだけを食べるということがないのですが、特別際立った味があるものではないと言えます。そのため、料理やお菓子にクミンだけを使用していても「クミンの味がする」というように気づくというのはなかなか難しいと言われています。

[3]クミンに含まれている栄養とは

クミンはビタミン・ミネラル類が豊富に含まれています。

豊富に含まれる代表的なクミンの栄養素

具体的に含まれている代表的な栄養素は下記になります。

・ビタミンA
・ビタミンB群(B1・B2・B3・B6・B12・葉酸)
・ビタミンC
・ビタミンE
・ビタミンK
・カルシウム
・鉄分
・マグネシウム
・カリウム
・ナトリウム

クミンに含まれる有効成分とは

上のビタミン・ミネラル類以外にも健康に良いと言われている有効的な成分が含まれているのがクミンになります。

植物ステロール

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植物の細胞構成成分の1つになります。植物ステロールは私たちの消化管からコレステロールのように吸収されません。ですので、コレステロールと一緒に摂取すると吸収を抑制するという作用があり、コレステロールの値を下げます。

そのため、体脂肪の減少を促したり心筋梗塞や動脈硬化などの生活習慣病の予防したりに効果が期待できます。また、細胞の酸化させる活性酸素を除去してくれる抗酸化作用も持っていると言われています。

クミナール(クミンアルデヒド)

天然に含まれる香りの成分になります。快い香りであり、私たちの消化器官を刺激して食欲を増進させる効果が期待できます。クミンが古代ギリシャにおいて「食欲」のシンボルにされていたのはこのためです。そのため、暑さで食欲が落ちやすい時に、カレーを食べることも食欲増進をさせるという点でも理にかなっていると言えます。

リモネン

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柑橘系フルーツの皮に含まれている香りの成分になりますが、クミンにも含まれています。リモネンの使用用途は様々であり、食品や飲料の香料として使われたり医薬品に使われて肌への浸透を促したり界面活性剤を含むことから洗剤や溶剤に使用されたりと私たちの生活に密着したファイトケミカルになります。

また、植物ステロール同様活性酸素を除去してくれる抗酸化作用も持っています。リモネンの香りにはリラックス効果もありストレス解消や緩和、免疫力を高めるなどの効果も期待できます。

[4]クミンから得られる7大効能とは?副作用ってあるの?

クミンには様々な栄養成分が含まれることから様々な効果効能が期待できます。しかし、アレルギーをお持ちの方や妊娠中や授乳中の方にはあまりおすすめすることができません。

食欲・消化促進で腸内環境整えてスッキリ便秘解消


クミンはインドにおいては「便秘の特効薬」としても使用されています。クミンに含まれているクミナールとリモネンには消化器官を刺激してくれる働きがあり食欲を増進させてくれます。食欲を促し、食べた後に消化器官の働きを活性化してくれることで胃腸がしっかりと動くので食べた物が全て消化と吸収されます。

そのため、胃腸の調子がしっかりと整うことで便秘しらずの体になるのです。また、クミンには食物繊維も含まれているので腸の蠕動運動を促進されることで、便意を促してくれる働きも期待できます。

女性のお悩み上位貧血の予防・改善

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女性なら1度は経験したことがある方が多いのが貧血症状ではないでしょうか。クミンに豊富に含まれているビタミンやミネラルが貧血の予防・改善に役立ってくれます。クミンに含まれるビタミンB群のB6は赤血球を運ぶのに必要であるヘモグロビンを作るのを助けたり、葉酸は細胞分裂のサポートや赤血球を作るのを助けたりします。

また、鉄分やマグネシウムといったミネラルは体内に酸素をしっかりと運ぶという働きが期待できます。これらの作用によりクミンを積極的に摂取することで貧血の予防や改善を期待することができるのです。

血流良好でむくみにさよなら冷え性改善


クミンに豊富に含まれている栄養素にカリウムがあります。カリウムには様々な働きが期待できます。カリウムにはナトリウムとともに体の中の水分量の調整をする働きがあります。そのためカリウムには血圧をあげる働きがあるナトリウムの排出を促す働きがあります。

その他にも心拍数を整えて一定に保ってくれたり血管を拡張して血液のめぐりを良くしてくれたりする働きがあります。このように血圧や血流を正常に保つことは心臓病の予防に繋がるとも言われています。また、血流が良くなるということは体の隅々までに酸素や栄養素が運ばれることになりむくみや冷えの改善なども期待できるので健康な体作りに繋がっていきます。

免疫力アップでゲンキな体作り

インドやギリシアにおいては病気になった時にお茶やスープにクミンを混ぜて飲むという習慣が昔からあるようです。それはクミンが天然の抗生物質というように呼ばれていることに起因しています。香り成分であるリモネンには免疫力を高める働きも期待できます。

免疫力が高まることで体の中に入ってくるウイルスや細菌(普通の風邪の原因の大半はウイルス性です)としっかりと戦える力があり病気になっても回復が早いです。またリモネンによる免疫力アップは癌予防や肺炎や喘息などにも効果が期待できると言われています。

リラックス効果でストレスフリーに

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クミンの香り成分にはクミナール(クミンアルデヒド)とリモネンがあります。この香りにはリラックス効果や鎮静作用があります。特にリモネンには脳のα波を発生させることが期待されているので、よりリラックス効果が期待できるのです。
そのため、クミンは食べなくても香りを嗅ぐということだけでもリラックス効果を得ることができるので、リラックス効果だけを得たい場合には精油を利用することもおすすめです。

抗糖化でアンチエイジング効果


クミンには老化の原因ともなる酸化を防いでくれる抗酸化作用があると言われている栄養成分のビタミンCやビタミンE、クミナール(クミンアルデヒド)、リモネンが含まれています。

また、私たちの体は過剰な糖分がたんぱく質とくっつくことでたんぱく質が変性してしまい劣化してしまうことで老化の原因になるとも言われているAGEs(糖化最終生成物)というものが作られます。通常、体が酸化した状態のことを「体がサビる」と言いますが、このような状態のことを「体が焦げる」と言います。

現代の食生活では糖質過多になっている人が多いのでこの体が焦げている状態(糖化)の人が多いと考えられます。クミンはこの糖化を防ぐ抗糖化率が86%もあると言われており、糖化を抑制する食べ物の中では3番目に高い値であると言われています。このように抗酸化作用だけでなく抗糖化作用も期待できるクミンはいつまでも若々しい体を保つというアンチエイジング効果を期待できるのです。

新陳代謝・脂肪燃焼促進でダイエット効果


イランの研究チームで行われた実験結果から、クミンを摂取したグループは摂取しないグループと比べると体脂肪率が約10%も減少させたという報告がされています。

他にも悪玉コレステロールや中性脂肪も減少したとも報告されています。また、クミンに含まれている植物ステロールにはコレステロール(動物の体に含まれるもの)の体内吸収を抑制してくれる働きがあります。コレステロールも私たちの体が正常に働くには必要な脂質ではありますが過剰になると高脂血症を引き起こしてしまう原因にもなります。

高脂血症になると脂質のコントロールが上手にできなくなるので、どうしても太りやすくなってしまいます。そんな時にコレステロールが減ってくれることで新陳代謝が高まってくれます。新陳代謝が高まることで脂肪燃焼も促されるので、ダイエット効果が期待できるのです。

クミンに副作用ってあるの?

基本的にクミンは薬ではなく食べ物であるので副作用はありませんが、昔から薬用として使われていたというように薬効が期待できるものであるので注意が必要な人はいます。
クミンは妊娠中や授乳中の女性やせり科の植物にアレルギーのある人やクミンに含まれる成分にアレルギーを持つ人は避けるべきであると言われています。スパイスアレルギーでアナフィラキシーショックを起こすこともあると言われているので神経質になる必要はありませんが注意は必要になります。

食べすぎは体臭に影響あり?

副作用ではないかもしれませんが、クミンは体臭を高める食品の1つになります。実際、ワキガの臭いはクミンの香りとも似ていると言われることもあります。ただ、体臭として現れるのは過剰摂取をした場合であるので、普通にカレーを食べたりする分には全く問題ありません。食べ過ぎた時には独特の体臭を発するかもということを少し心に留めておくことで十分です。

[5]クミンの香りとは

クミンは味には特有の特徴があるわけではないので、スパイスとしての価値を持たせているのはその独特の香りになります。1言でクミンの香りを表現するならば、「カレーの良い香り」です。カレーの香りなので決して爽やかな香りとは言えません。しかし、このカレーのエスニックな香りには様々な効果が期待できます。クミンの香りで期待できる効果は下記になります。

・スパイシーな香りなので食欲を増進してくれる
・料理の味に深みを与えたり、隠れた旨みを引き出してくれる
・お肉やお魚の臭い消しをしてくれる
・クセのある臭いをもつ野菜の臭い消しにも役立つ

[6]クミンの使い方とは

クミンはカレーに使われるスパイスとして有名ですがカレー以外にも様々な料理に使うことができる使い勝手の良い万能スパイスになります。

クミンパウダーとクミンシードの違いとは


私たちがクミンを購入しようとした時に目にするもののほとんどは「クミンパウダー」か「クミンシード」のどちらかになると思います。では、この2つにはどのような違いがあるのか説明していきましょう。

まずクミンシードはクミンという植物の種子そのものになります。種子そのものになるので「ホール」というように呼ばれることもあります。クミンシードはまず少量を油とともに火にかけることで香りが立ち、その香りを油に移すことで料理にしっかりと香りが残ってくれるので香りを楽しめるとともに料理を引き立ててくれます。

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一方で、クミンパウダーはこのクミンシードをさらに粉末状にしたものになります。粉末状であるので、下準備の段階でハンバーグのタネに混ぜ込んだり生地に練りこんだり、仕上げの段階で香りづけで使用したりという使い方がおすすめです。

パウダーの方が手軽で使いやすいというメリットはあります。どちらも香りの強さ自体はほとんど変わらないのですが、加熱しても香りが残りやすいのはシードの方と言われています。用途に合わせて上手に使い分けることができるのが理想ですね。
       

クミンの料理への活用の方法とは

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クミンは様々な料理に活用が可能なスパイスです。クミンは野菜炒めとの相性も抜群です。塩コショウと一緒に使うことでいつもの野菜炒めにクミンでアクセントをつけてみてはいかがでしょうか。フライドチキンやハンバーグ、ソーセージなどのお肉料理に使うのもおすすめです。クミンを加えてあげるといつもの味がより本格的な味に変身してくれます。いつものカレーにクミンを追加してもよりスパイシーにそしてより本格的なカレーに変身しますよ。

他にもポテトサラダに加えるのも相性がよいのでおすすめです。これからの寒い季節におすすめなのがスープに使うことです。クミンの香りが引き立つだけでなく、スパイスなので体を温めてくれる作用もあるのでぜひ試していただきたいです。

クミンは代用できるの?

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クミンがない場合には他のものでも代用できるのかということは気になることの1つではないでしょうか。基本的にクミンの香りは独特のものであることから香りや成分をまねている代用品はないと言われています。

しかし、下準備をする場合にはナツメグを代用として使うことはできます。ナツメグはクミンのように香りは強くないので香りを主張させなくても大丈夫な料理の下準備であれば代用することも可能であると言えます。

クミンを料理に使う場合の注意点

クミンはその独特の強い香りが特徴でありますが、料理に使う際により美味しく効果的に効能を得るためには気をつけていただきたいポイントが2つあります。

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加熱時間には注意しましょう。

クミンのその独特とも言われている香りは加熱により弱まります。そのため、香りを残したくない場合は最初からクミンシードを使用して長時間煮込んでも問題ありません。しかし、香りが欲しいという場合には、最後の仕上げでクミンパウダーを使うなどの工夫が必要になります。

使用量には気をつけましょう。

クミンは使う量が増えれば増えるほど、香りが強くなるのでエスニック感・スパイシー感が増します。そのため、それぞれの料理に合うように使う量は調節してあげましょう。過剰摂取はは体臭を引き起こす原因にもなるので注意が必要です。

[7]クミンとウコンには関係性があるの?

クミンと同様で有名なスパイスにウコン別名ターメリックと呼ばれるスパイスがあります。両方ともカレーに使われるスパイスの代表的なものであることから何かしらの関連性があると思われがちです。しかし、香りや味、成分、効能などの面で見ても似ている部分もありません。強いて言うなら、カレーに使われるというようにインドでは重要なスパイスということと色が黄色ことです。

この2つの関係性ですが、カレーのニオイを作るのがクミンであり、色を作るのがウコン(ターメリック)であり相性は抜群のスパイスになります。そして、相互作用により抗ガン作用やダイエット効果にも期待が持てるのです。

[8]毎日の食事にクミンを摂り入れて、食生活に変化をもたらし元気な体も手に入れよう

カレーのイメージが強いクミンですが、安価に手に入りやすいスパイスになります。いつもの料理に少し加えるだけでいつもとはまた違ったエスニック風味の料理に変身させることができます。そして、普段使わない人にとってはスパイスは使うのが難しいと思われがちですが、クミンはスパイス初心者にとっても使いやすいのでぜひこれを機会に1度試してみてください。しかも、クミンには様々な効能効果も期待できるのでスパイスライフを楽しみながら健康な体を手に入れましょう。

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