スパイス界のオールラウンダー「オールスパイス」の香りや効能・使い方について

オールスパイスというのを耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか?そして、オールスパイスと聞くと数種類の様々なスパイスをミックスした香辛料をイメージしてしまう人も多いのではないでしょうか?しかし、実は違うのです。オールスパイスとは単体のスパイスのことを言います。そこで、今回はオールスパイスとは何かを説明するとともにその香りや効能についてご紹介していきます。

スパイス界のオールラウンダー「オールスパイス」の香りと効能とは

2017年10月18日更新

香りフードドリンク

亀崎智子 (管理栄養士)

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[1]オールスパイスとは

日本の名称では「百味こしょう」とも呼ばれるオールスパイスですが、実は数種類のスパイスがミックスされたのではなく単一のスパイスのことになります。そこで、まずはオールスパイスの歴史について説明していきます。

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オールスパイスの歴史

オールスパイスの歴史は諸説あります。スパイスとしての歴史は浅いと言われていますが、古くはマヤ文明の時代に王様の遺体を埋葬する際に防腐剤として使用したり料理に使用したりという説もあります。

しかし、実際には16世紀後半以降に幅広く使用されるようになっているという説が有力なようです。オールスパイスにはコロンブスによってジャマイカで発見されたとか、スペインの探検家フランシスコ・フェルナンデスによってメキシコで発見されたとか言われていますが、西インド諸島が原産地であることは間違えないようです。

そして、中南米地域で栽培が始まり、貴重なスパイスとして珍重されるようになり17世紀初頭にヨーロッパに広まったと言われています。

オールスパイスの名前の由来

オールスパイスの名前は英語のAllspiceからきていると言われています。中世ヨーロッパの人から珍重されていた中南米・西インド諸島を原産地とする常緑高木のフトモモ科の植物であり、三大スパイスと呼ばれるクローブ・シナモン・ナツメグの香りを併せ持つことからこの名がついています。

日本名では、百味胡椒(ひゃくみこしょう)、中国名では、三香子(サンシャンズ)というように呼ばれることもあります。また、見た目がコショウに似ていることや主要原産地の1つであるジャマイカにちなんでジャマイカンペッパーと呼ぶこともあります。

オールスパイスの特徴


オールスパイスは6~9mまでに成長する木になる房状の果実を未熟な内に収穫して乾燥したものをスパイスとして利用します。その形状はエンドウ豆のように小さな5~8㎜の暗褐色の球状で、オールスパイスベリーと呼ばれる乾燥果実になります。表面はざらざらしています。

[2]ミックススパイスとの違いとは

オールスパイスと似たような名前で混同されがちなものでミックススパイスというものがあります。オールスパイスが単一のスパイスであることに対して、ミックススパイスは複数のスパイスやハーブを調合することで作る香辛料になります。

別名、スパイスミックスやシーズニングスパイス、混合香辛料などと呼ばれることもあります。具体的にミックススパイスの分かりやすい例で挙げると以下になります。

  • インド料理で使われることの多いガラムマサラ(クローブ・ナツメグ・シナモン・カルダモン・胡椒・クミンなどを混合したもの)
  • テクス・メクス料理(メキシコ風アメリカ風料理)にとってはなくてはならないと言われるチリパウダー(チリペッパー・オレガノ・ディル・ニンニク・クミンなどを混合したもの)
  • 中華料理で使われることが多い五香粉(クローブ・シナモン・花椒・八角・陳皮などを混合したもの)
  • 私たちの食生活の中でも身近である七味唐辛子(芥子・陳皮・胡麻・山椒・麻の実などを混合したもの)

[3]オールスパイスの味とは

オールスパイスは噛むとピリッとした辛味がありますが、胡椒のような深い味や辛味はないと言われています。また、ホールのまま口の中に入れて噛んでしまうと口の中で殻が残って大変なことになってしまうので注意が必要です。

我慢せずに吐き出してあげましょう。1番外側の殻に最も風味が詰まっていると言われるので、無理して中まで噛む必要はないので覚えておきましょう。

[4]オールスパイスの香りによる効能・効果とは

名前の由来でもあるクローブ・シナモン・ナツメグの香りを混ぜ合わせたような香りであると言われますが、その成分や効果効能について解説していきます。

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栄養成分

クローブやシナモン、ナツメグに共通する成分であるといわれてオイゲノールというものを含んでいます。これは刺激のある香りを放つと言われており、60~80%を占めています。精油に含まれる香気成分になります。

抗菌・殺菌作用のほかに、鎮痛作用や抗酸化作用もあると言われています。もう1つ代表的な成分にシネオールという香気成分があります。これは胆汁の分泌を促す作用があることから、消化を促進する働きがあります。

代表的な効果・効能

オールスパイスは食べることよりも香りによる効果が強いと言われています。その中でも代表的なもので、香りによる精神的なリラックス効果や、リフレッシュ効果が期待できます。

また、吐き気や悪寒、消化不良にも効果があります。そして、昔から防腐や抗菌作用を期待して利用されてきました。

[5]オールスパイスの使い方とは

オールスパイスについて詳しく説明してきましたが、ではどのように使用したら良いのかというところが気になる人も多いのではないでしょうか?ここからはオールスパイスのおすすめの使い方や使う時の注意点について説明していきます。

オールスパイスは料理やお菓子作りにのみ使用されると思われがちではありますが、産地においてはそれ以外の使い方をされることも多いです。

例えば、精油を食欲増進や神経痛、リウマチの治療に利用したり薬の香りづけに使用したり男性用の香水やポプリ、アロマオイルなど純粋い香りを楽しんだりとその使用方法は様々あると言われています。

オールスパイスと相性の良い食材

オールスパイスは良い香りが特徴的であることから、肉料理からスープのような煮込み料理、そして甘いスイーツに至るまで幅広く利用できるというのが大きな特徴になるので万能スパイスであると言えます。クローブやシナモン、ナツメグを合わせたような香りを持つオールスパイスであるのでこれらを使用する料理においては特に活用しやすいです。

例えば、ナツメグの代わりに、ハンバーグやロールキャベツ、ミートソースなどひき肉を使用した料理に使用もおすすめです。クローブの代わりには、シチューやスープなどの煮込み料理や肉料理の下ごしらえ、肉の内臓を調理するパテなどにも利用することが多いです。

また、甘い味とも相性は抜群であるのでシナモンの代わりに、クッキーやパウンドケーキ、プリンなどの生地に混ぜ込んだり、果物との相性も良いので、焼きりんごに使用したり、グレープフルーツやオレンジといった柑橘類の果物に直接ふりかけたりすることもおすすめの1つになります。

肉料理におすすめとは言っていますが、魚と野菜特にトマトとの相性も抜群に良いので、トマトを使用した煮込み料理やトマトケチャップと混ぜる使い方でも美味しく食べていただくことができます。そして、北欧の名物料理のにしんの酢漬けにとっても欠かせないスパイスになります。

その他にも、マリネやピクルス、スープやソース、ドレッシングの風味づけなど、様々な場面でお使いいただけます。比較的料理ではホールで、お菓子ではパウダーで使うことが多いです。

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オールスパイスの使い方の注意点

オールスパイスは刺激のある香りであることから好き嫌いが強く出ることもあるので、慣れるまでは使用量を少し控えることがおすすめです。また、妊娠中や授乳中の方は禁止ではありませんが、摂りすぎには注意が必要になります。

オールスパイスだけではなくすべてのスパイスに共通して言えることですが、スパイスは時間が経ってしまうとどうしても風味が落ちてしまいます。美味しくいただくには賞味期限内で使用できる量をこまめに購入して使用しましょう。

オールスパイスがない時の代用方法

「オールスパイスが使いたい!でも、今、切らしている」といった時におすすめの代用方法をご紹介します。コショウもしくはシナモン・クローブ・ナツメグをミックスさせたものを代用して使うことをおすすめします。

コショウを代用の場合

オールスパイスと比較すると風味は落ち、辛味は増してしまいますが肉料理などの臭み消しとして代用することが可能です。ただし、小さじ1などある程度多めに使用する場合やオールスパイスの持つ甘い香りを楽しむために使用する料理やお菓子に関しては代用は避けた方が良いでしょう。

シナモン・クローブ・ナツメグで代用の場合

3種類とも全てそろっている場合にはナツメグをメインにシナモンとクローブを少量混ぜ合わせましょう。全てがそろっていない時にはあるもので代用してみてください。

[6]オールスパイスを使っていつもの食事にアクセントを

オールスパイスですがなくても料理やお菓子作りはできますが、使用することによって、香りが調和してマイルドになり、より美味しく仕上げることができるようになります。いろいろなスパイスを単品購入して配合していくというのはスパイス初心者にとっては難しいかもしれません。

しかし、オールスパイスは単一のスパイスであり比較的初心者でも使いやすいので、ぜひ1度いろいろな料理に試してみてください。いつもの食事にオールスパイスを少し足すことでまた違った味や香りを楽しんでいただけると思います。食欲の秋の今の季節にオールスパイスを活用して今までとは一味違った味を楽しみましょう。スパイスを使用するとお料理やお菓子が少し凝った感じがするのでおもてなし料理に使用するのもおすすめですよ。

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